富士山の登山シーズンが近づく中、ココヘリと味の素株式会社が共同で、安全登山を促進するための新しいキャンペーンを2024年8月1日に開始します。この活動は山梨県側の吉田ルートで実施され、登山者に向けた無償の位置特定端末の配布と、同社の「アミノバイタル®」製品サンプルセットの提供を行います。
昨年、警察庁は山岳遭難件数が3126件、遭難者数が3568人に達したと報告しており、特に富士山では高齢者や海外からの旅行者による遭難が増加傾向にあります。このため、登山者の安全を確保するための啓発活動が以前にも増して重要視されています。
今年の夏、山梨県は午後4時から午前3時までの期間に、登山者の数が4000人を超えた場合に規制を敷くなど、混雑緩和に取り組んでいます。これにより、経験豊富な登山者でさえ新たなルールや状況に戸惑うことが予想されるため、さまざまな登山者に対するサポートが不可欠となっています。
この状況を踏まえて、ココヘリはどの方にも位置情報を確保し、登山者が安心して登山を楽しめるように必要な支援を行います。具体的には、吉田ルートを通る登山者に対し、無償でココヘリの端末を提供し、その端末を使って登山者の位置情報を収集します。このデータを基に、どのルートが混雑するかを分析し、今後の登山規制に役立てる予定です。
また、味の素は「アミノバイタル®」製品を通じて、登山者の体調維持をサポートします。栄養補給によって体調を整え、安全な登山を実現するための取り組みです。
配布の期間は2024年8月1日から9月10日までで、場所は富士山の吉田ルートの五合目休憩所付近です。
ココヘリのシステムは、特に山岳地帯において通信網に依存せず、登山者の正確な位置を迅速に特定できる点が特筆されます。このサービスは、会員に特別な発信機を提供し、遭難時には民間のヘリコプターや陸上捜索隊が迅速に部署されるものです。これにより、捜索時間の大幅な短縮が可能となり、すでに17万人以上の会員が加入しています。
今後、ココヘリは得られたデータをもとに富士山だけでなく、他の登山道でも実証実験を行い、登山者の安全確保に向けた新しい試みを検討していきます。これにより、登山の魅力を損なうことなく、より多くの人々が安全に自然を楽しむ環境が整うことを願っています。