ノバルティス、2025年第1四半期の好調な業績を発表

ノバルティスの2025年第1四半期の業績発表

2025年4月29日、スイス・バーゼルに本社を持つ製薬企業ノバルティスは、2025年第1四半期の業績を発表しました。今回はその数値と共に、成長の要因や企業戦略について詳しく解説いたします。

売上高と利益の伸び

ノバルティスの売上高は、前年同期比で実質的に15%増加し、132億米ドルに達しました。米ドルベースでは12%の増加です。この成長は、主に以下の製品の好調な売上によって支えられています。

- エンレスト（22%増）
- Kisqali（56%増）
- ケシンプタ（43%増）
- コセンティクス（18%増）
- レクビオ（72%増）
- セムブリックス（76%増）

その結果、コア営業利益は実質ベースで27%増加し、46億米ドルとなりました。コアEPSも31%の増加を記録しており、2.28米ドルに達しました。これにより、コア売上高営業利益率は42.1%と、前年よりも大幅に改善しました。

フリーキャッシュフローと株主還元

ノバルティスのフリーキャッシュフローは、前年同時期に比べて66%増の34億米ドルとなりました。これにより、企業は株主への還元も強化しており、最大150億米ドルの自己株式購入プログラムの一環で、260万ドル相当の株式を買い戻しました。資本構成を維持しながら、魅力的な株主還元を実現することが優先事項となっています。

研究開発のマイルストーン

第二四半期には、ノバルティスの研究開発が活発であることが示されました。新たに以下の承認が得られています：

- Pluvicto のFDA承認（未使用の患者向け）
- Vanrafia のIgA腎症適応がFDAに迅速承認
- ファビハルタのC3腎症（C3G）適応が複数の国で承認
- Remibrutinibの慢性特発性蕁麻疹（CSU）適応申請
- OAV101のSMA患者に関する第Ⅲ相試験の肯定的データ

これらの成果は、企業のイノベーションを促進し、今後の成長に寄与するものと期待されています。

2025年の業績予測

今後の展望として、ノバルティスは2025年の通期業績予想を上方修正し、売上高は一桁台後半の成長率を見込んでいます。コア営業利益も10%台前半の成長を予測しており、将来にわたる成長が期待されています。

ノバルティスのCEO、ヴァス・ナラシンハンは、今年のスタートが好調であり、成長のドライバーとなる優先ブランドが引き続き力強い成長を見せているとコメントしました。また、業界をリードするパイプラインの前進にも自信を持っているとのことです。