カンボジアで開催された車いす整備ワークショップ
近年、カンボジアで日本のシニアたちが中心となり、車いすの整備技術を伝えるワークショップが開催されました。この取り組みは、障がいを持つ人々がより良い生活を送るためのサポートを目的としています。
車いすユーザーの生活向上に向けて
「飛んでけ!車いす」の会が行うこのワークショップでは、これまでに200台以上の車いすをカンボジアに輸送してきましたが、単に車いすを提供するだけでは不十分です。使用するためには、定期的な整備と修理が不可欠です。そこで、現地の車いすユーザーや支援者に整備技術を教え、彼らが自ら車いすを管理できるようになることを目指しています。
この活動は、2018年から2021年にかけてインドネシアで行われていましたが、今回はカンボジアに焦点を当て、障がいのある女性の社会進出を支援するという新たな目的が加わりました。ワークショップは2023年1月31日から始まり、2月3日までの開催が決まりました。参加者は、現地のNGOと協力して手を携えながら、実際の整備作業に取り組みました。
障がいを持つ女性のための職業訓練
第1回、第2回のワークショップには、4つの現地NGOが参加しました。その中でも、Cambodian Handicraft Association(CHA)は特に注目されています。この団体は、農村部で障がいを持つ女性に対し、職業訓練の機会を提供し、彼女たちの自立をサポートしています。
参加者は、車いすの整備技術を学ぶことで、日々の生活の質を向上させるとともに、社会での立場も強化されることを期待しています。これにより、車いすユーザーがより自由に自己表現を行える環境が整い、社会への参加が促進されるのです。
現地整備士の育成
ワークショップの重要な目的には、現地の整備士を育成することもあります。日本から派遣されたベテラン整備士が、現地の人々に技術を授けることで、持続可能な支援を実現することが目指されています。多くの車いすが届く一方で、故障時の対処が不十分な場合が多く、整備士の存在は不可欠です。この活動を通じて、育成された整備士が地元で技術を広め、地域社会に貢献していくことが期待されています。
今後の展開
カンボジアでのこのワークショップは、今後も続いていく予定です。JICAの草の根技術支援事業として、今後2年間、継続的に実施されることが決まっています。第3回、第4回のワークショップは2023年11月以降に予定されています。
このような取り組みを通じて、障がい者がより良い生活を送り、社会で活躍できる場が広がることを期待しています。今後も必要な技術と支援を引き続き提供していく所存です。
団体情報
特定非営利活動法人「飛んでけ!車いす」の会は、北海道札幌市に拠点を持ち、1998年に設立されました。主に、海外の障がい者や児の自立を図るために、日本で使われなくなった車いすの収集や修理を行い、発展途上国へ送っています。福祉やボランティアについての啓蒙活動も同時に展開しており、地域に根付いた活動を行っています。HPは
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