アフリカの発展と地方創生の架け橋を目指す新たな試みが始動
2025年8月21日、横浜ベイホテル東急にて開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)において、独立行政法人国際協力機構(JICA)は「JICAアフリカ・ホームタウンサミット」を実施しました。このイベントは、アフリカ各国と日本の地方自治体の関係強化を図り、国際協力を通じての地方創生2.0の実現を目指しています。
JICAアフリカ・ホームタウンサミットの目的
このサミットでは、アフリカとの相互関係が強化される様々な取り組みが発表されました。JICAは、4つの地方自治体を「JICAアフリカ・ホームタウン」に認定しました。これにより、日本とアフリカの架け橋となる人材育成や協力の新たな道筋が示されました。認定された自治体は、愛媛県今治市、千葉県木更津市、新潟県三条市、山形県長井市です。各自治体は、アフリカの国々との連携について意見交換を行いました。
開会挨拶と期待
開会挨拶では、JICAの宮崎副理事長が「この新しい試みが、双方の共創を促進し、地方創生にも寄与することを期待しています」と語りました。また、JICAの中村理事長特別補佐は、東京2020オリンピック・パラリンピックのホストタウンの概念を元に、地域間の人の往来を促進する仕組みを強調しました。これにより、日本とアフリカの間に新たなつながりが形成されることが期待されています。
各地方自治体の取り組み
認定を受けた今治市はモザンビーク、木更津市はナイジェリア、三条市はガーナ、長井市はタンザニアとそれぞれ提携関係を結びました。長井市の内谷市長は、過去にJICAの協力隊として参加した人材がタンザニアとの交流を深めた事例に触れ、「この制度を活用して人材の交流を進め、地方都市のモデルを目指したい」と述べました。ナイジェリア大使館の代理大使も、「人と人のつながりが信頼を生み出し、コミュニティの拡大につながる」とプロジェクトへの期待を表明しました。
参加者によるパネルディスカッション
イベントの中では、ホームタウンに認定された各地方自治体の市長や、アフリカとの協力に積極的な団体の代表者が参加し、実績や課題について議論しました。今治市の徳永市長は、「つながりをキーワードに、モザンビークとの関係を深めたい」と語り、木更津市の渡辺市長は野球とソフトボールを通じてナイジェリアの人たちに日本式のアスリート精神を伝える計画を説明しました。また、三条市の滝沢市長は、JICAとの連携による学生の海外活動や農業協力について言及しました。
機会と未来への期待
今回の取り組みは、JICAが「for」から「with」の精神で進めていく国際協力の新たな一歩です。慶應義塾大学の玉村教授は、「つながりを深めることで信頼を築き、アフリカとともに未来を創り上げることが重要」と発言しました。
最後に、総務省の黒田室長が、「総務省としてもこの取り組みを支援していきたい」と閉会の挨拶を行い、今回のサミットが盛況のうちに終了しました。
今後、JICAはこの活動を通じて、日本とアフリカ間の人と人とのつながりをより一層強化していく計画です。地方創生と国際協力の新たな可能性が切り開かれることが期待されます。