東京都23区における賃貸物件の家賃最新トレンドとおすすめエリア

都心回帰と賃料上昇の背景

近年、東京都内の居住スタイルに変化が見られています。コロナ禍の影響で一時的に郊外に向かう傾向が強まりましたが、2024年のデータによると、再び都心への回帰が進んでいるようです。総務省の統計によれば、2021年には転入超過数が減少したものの、2024年には約7万9千人が東京都へ転入しています。このことからも多くの人々が都心での生活を求めていることがわかります。

しかし一方で、家賃の上昇と物価の高騰は生活を圧迫しています。東京都23区内では、特に家賃が急上昇し続け、日常生活に必要不可欠な電気代や食料品なども高騰しているのが現状です。そのため、居住エリアを選ぶ際には、「立地」や「アクセス」を重視するだけでなく、「コストパフォーマンス」にも注目が集まっています。

お部屋選びの新たな指標

株式会社CHINTAIが発表した「1㎡あたりの平均家賃」ランキングは、そんな住まい探しにおける新しい視点を提供しています。このランキングでは、東京都23区内の物件データをもとに、家賃が安い駅と高い駅を比較することができ、広さと家賃のバランスを考える上で役立ちます。

平均家賃が安い駅ランキング

まず、最も家賃が安い駅は江戸川区の「葛西臨海公園」で、1㎡あたり2,242円という結果でした。次いで足立区の「見沼代親水公園」が2,607円、さらに「江北」が2,643円と続きます。この上位10駅の中で、なんと7駅が足立区に集中しています。これらのエリアは、日暮里・舎人ライナーが走っているため、新宿や渋谷と比べると落ち着いた住宅地が多いのが特徴です。

これにより、都内で比較的リーズナブルな家賃で、主要なビジネスエリアへのアクセスが容易であるため、都心に通勤・通学する人には適した選択肢なのです。

平均家賃が高い駅ランキング

その一方で、最も家賃が高い駅は港区の「外苑前」で、1㎡あたり6,600円でした。次に「竹芝」が6,492円、「虎ノ門ヒルズ」が6,151円と、東京の中心ともいえるこのエリアに多くの高額家賃駅が集中しています。ビジネスエリアである港区や中央区といった立地は、オフィスビルや商業施設が豊富で、利便性が高いのが要因です。

特に複数の交通路が利用できるため、給与水準や生活の質を優先したいビジネスマンには好まれるエリアとなっています。

エリア別の家賃分布の傾向

ランキングを基に地図を作成すると、家賃が高いエリアと安いエリアが明確に分かれることがわかります。高額な家賃は港区に集中し、特に都市機能が集まる城南エリアが、生活利便性を反映しています。

逆に賃料が安いエリアは足立区や江戸川区などの住宅地に分布しています。「葛西臨海公園」や「見沼代親水公園」のように、少し中心から離れるだけで、安価な賃貸物件に住むことができ、また静かな環境で生活を送ることができます。