株式会社PITTANと大阪大学が取り組む新しい健康評価法の開発

株式会社PITTANと大阪大学の新たな共同研究

株式会社PITTANと大阪大学大学院基礎工学研究科が、老化および炎症メカニズムの解明に向けて共同研究を行うことが発表されました。この研究では、3次元培養表皮モデルを用いて、老化や運動に関連する因子の分析を実施し、非侵襲的な健康評価手法の確立を目指します。

研究の目的と意義

本共同研究の主な快適は、老化に伴って皮膚組織から分泌される物質の変化を理解し、汗を通じた非侵襲の老化評価手法を確立することです。特に、運動時に筋肉から分泌されるマイオカインについて、汗中での検出手法の開発も目指しています。この新たな手法により、簡単な汗分析を通じて得られる健康情報が増え、予防医療にも貢献できることが期待されています。

研究背景

運動中に筋肉から分泌されるマイオカインは、健康を増進する上で重要な役割を担っています。特にIL-6やIL-15などは、筋力トレーニングにより生成が促進され、代謝機能の改善に寄与するとされています。しかし、これらのマイオカインの測定は通常、血液検査を必要とし、手軽に健康状態を管理する手法の確立が求められています。

さらに、細胞の老化に関する研究では、PAI-1が重要な因子として知られています。大阪大学の出口教授のグループは、老化のメカニズムに関する研究を進めており、老化に関与する遺伝子を特定しています。しかし、これらの因子がどのように汗中に分泌されるのかはまだ解明されていません。

既往研究では、汗中成分の分析による疾病スクリーニングの可能性が示唆されていますが、その技術的課題から、日常生活での実用化には至っていません。これに対し、PITTAN社は独自の微量分析技術を持っており、汗中の微量成分を高感度で検出できることから、既にエステサロンやフィットネス業界でのサービスを提供しています。

研究の展望

本研究では、PITTANの微量分析技術と大阪大学の3次元培養モデルを組み合わせ、老化関連因子や炎症応答にかかわる汗中の成分分析を行います。具体的には、J-TEC社のEPI-MODELを用いて老化に伴う分子の生成を探求し、skin-on-a-chipモデルを活用して炎症時の発現変化を調査します。

期待される成果

研究の成果として、非侵襲的な生体試料からの老化状態や運動による健康効果の評価手法が確立されることが期待されます。3次元培養表皮モデルを使用することで、より生体に近い条件での分析が可能になり、実用化へとつながるでしょう。これにより、予防医療の新たなアプローチを提供できる可能性があります。

報道機関向けのコメント

PITTANのCEO、辻本氏は、「この共同研究を通じて、個々のライフスタイルに合わせた健康評価方法が求められていると感じています」とコメントしました。また、大阪大学の出口教授は、「汗中の成分を基盤とした新たな健康評価の基盤構築を進め、予防医療に貢献したいです」と述べています。

PITTANについて

PITTANは、「生きるを楽しみきる」というビジョンのもと、非侵襲的な汗分析技術を用いて、ポジティブな人生を送るサポートを目指すスタートアップです。

また、郵送モデルの分析サービスが導入されており、さまざまなヘルスケアの場面で利用されています。今後は、より迅速に分析結果を提供するポータブル機器の開発も進めていく計画です。

詳しくは、PITTANのウェブサイトをご覧ください。

会社情報