大和ハウス・アセットマネジメントがAI契約データベースを導入
大和ハウス・アセットマネジメント株式会社が、Sansan株式会社の提供するAI契約データベース「Contract One」を導入した。この挑戦により、契約管理の新たなスタンダードが打ち立てられ、業務効率の飛躍的な向上が期待されている。
導入の背景とビジョン
同社はJ-REITである大和ハウスリート投資法人や私募ファンドの資産運用を行う企業で、全国に約250件の不動産を管理している。不動産業界では、多岐にわたる契約や関連情報を適切に管理することが不可欠であり、そのために膨大な時間とリソースが必要とされている。「Contract One」の導入は、こうした課題を解決することを目的としている。
従来、同社はExcelでの契約管理を行っていたが、契約書の確認作業が煩雑で、情報の錯綜が課題となっていた。契約のデータ化と一元管理によって、担当者は本業に専念できる環境を整備することが求められていた。
AI契約データベース「Contract One」の特徴
1. 一元管理と自動化による契約業務の効率化
「Contract One」では、保有している約6500件の契約書をクラウド上で一元管理する。このシステムでは、契約書がデータ化され、契約の内容や点検すべき項目を素早く把握できる。原契約と関連契約が自動で紐付けられ、過去の契約の変更や履歴を容易に追跡することができる。
2. 情報統制の実現
複数のファンドを運用している同社においては、契約情報の厳格な管理も重要な要素である。「グループ企業管理オプション」を活用することで、情報の閲覧権限を部署ごとに分け、内部統制を強化する。また、利便性を維持しながら適切な情報統制が可能となった。
3. AI自動入力機能によるさらなる効率性
「Contract One」では、AIによる自動入力機能を搭載しており、契約書の文中から任意の情報を抽出し、整理することが可能である。この機能を利用することで、例えば「物件名」を迅速に抽出し、契約書を物件単位で検索・把握できる仕組みが実現する。さらに、契約更新のリマインダー機能も搭載されており、契約期限が近づいてきた際には自動で注意を促す。
まとめと今後の展望
大和ハウス・アセットマネジメントは、AI契約データベースの導入により、業務の効率化だけでなく、誤入力や情報の取り扱いのミスを減少させるための体制を構築しつつある。同社の経営管理本部のマネジャー、片山航洋氏によると「Contract One導入後は、業務のデジタル化が進み、全社的な生産性向上を目指していきたい」と語っている。この新たな取り組みを通じて、アセットマネジメント業界における契約管理のスタンダードが形成され、他社にも波及する可能性が見込まれている。
会社概要
大和ハウス・アセットマネジメント株式会社
設立:2004年9月1日
代表者:成宮浩司
ウェブサイト:
大和ハウス・アセットマネジメント