学生主体で運営する袴展示会が前年比で売上を227%アップ

講義から実践へ—産学連携の成果が結実した袴展示会

東京都中野区に位置する専門学校日本ホテルスクールは、2025年10月8日から10日の3日間にわたり、「卒業式袴展示会」を開催しました。このイベントは、夜間部ブライダル科の2年生による産学連携授業の一環であり、企業と連携して学生主体で運営されるものです。この活動は2016年度から続いており、学生にとっては貴重な実践教育プログラムの一部となっています。

イベントの内容と準備

この展示会では、学生たちが卒業式で着用する袴やタキシードの販売を行いました。学生は企画、宣伝、接客、さらには売上管理まで幅広いプロセスを担当し、実際のドレスショップ運営を模した内容が特徴的です。そのため、大学が提供する座学に留まらず、実際のビジネスに必要なスキルを磨く機会となっています。

展示会に向けて、企業からは商品知識や接客方法、さらには心構えに関する指導を受けました。さらに、学生たちは着付けや接客の練習を重ね、準備万全で当日を迎えました。卒業生が来校してリアルな仕事体験談をシェアしたことも、参加学生にとって大きな刺激となりました。

売上と成果

展示会当日には、他のチームと協力し、来場者のニーズに応える接客を行うことで、多くの契約を成立させました。今年の展示会では合計で103組の契約が成功し、売上は8,141,000円にのぼり、前年比が209万円の増加という結果を残しました。また、平均単価も前年を上回り、高単価の商品提案が実現しました。その理由としては、男性の利用者が増加したことも挙げられます。学生たちはこの過程で、営業力や接客スキルを一層磨くことができ、終わった後にはフィードバック会を通じて成果を振り返りました。参加した学生からは、「契約を結ぶ経験は貴重であり、営業の難しさや達成感を実感できた」といった声がありました。

意義と評価

この卒業式袴展示会は、単なる展示販売に留まらず、学生が主体となって現場に即した販売・接客・マネジメントを体験する貴重な機会です。ブライダル業界に必要なスキルを総合的に身につけることができ、実践的な教育として全国的に評価されています。本校の取り組みは、学生が商品管理から接客、売上に至るまでを一貫して経験できる点で非常にユニークです。

卒業生と企業とのつながり

運営を支援してくれた企業とのフィードバック会では、参加学生と企業の双方が意見を交わし、さらなる改善点を見つける機会となりました。このプログラムは、学生が市場に出る前に必要な準備を整える助けとなっています。また、本校が1972年の開校から14,800名以上の卒業生を輩出してきた実績も、彼らのキャリアにおいて重要な支えとなるでしょう。専門学校日本ホテルスクールは、今後も「産学連携」に基づく実践教育を深化させる努めを続けていきます。