日英デジタル政府分野専門家会合が実施された意義と成果

日英デジタル政府分野専門家会合を経て見えた未来



2025年6月23日と24日、東京にて第3回日英デジタル政府分野専門家会合が開催されました。この会議では、日本のデジタル庁と英国の政府デジタルサービス(GDS)、国家サイバーセキュリティセンターなどの専門家が集まり、デジタル政府に関する新たな取り組みの紹介や意見交換、技術的な知識の共有を行いました。この取り組みは、2022年10月に締結された日英デジタル分野における協力覚書(MoC)に基づくものです。

デジタルマーケットプレイスの進化



会合の中で、日本におけるデジタルマーケットプレイスの導入状況が詳しく紹介されました。デジタル庁の代表は、政府と中小企業との取引を円滑にするためのオンライン調達プラットフォームの改善方法について説明しました。これにより、公共サービスの効率化が図られ、企業の競争力向上にも寄与することが期待されています。

人工知能の利活用



次に、行政における生成AIの利用についても議論が行われました。デジタル庁からは、特に生成AIの調達とその活用に関するガイドラインの紹介があり、専門家たちがどのようにこの技術を業務に役立てているのかが共有されました。また、英国側からは、政府全体のAI政策や、業務におけるAIツールの活用方法が説明され、今後の展開に期待が寄せられました。

データ流通の現状と展望



公共データについても両国の専門家が知見を共有し、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)に関する取り組みが話し合われました。デジタル庁は、OECDのパートナーシッププロジェクトに基づく進捗について紹介し、GDSからはNational Data Libraryに関する取り組みが示されたことで、データの開放が経済成長と公共サービスの向上にどう寄与するかが浮き彫りになりました。

デジタル・アイデンティティの進展



デジタル・アイデンティティ、デジタル・ウォレット、共通ログインサービスに関しても進展が報告されました。デジタル庁からは、日本におけるマイナンバー制度やマイナンバーカードの具体的な活用事例が示され、GDSはGOV.UK One LoginとGOV.UK Walletの導入計画を発表しました。両国でのデジタル・アイデンティティの実現が、国民の利便性向上につながることが期待されています。

サイバーセキュリティの重要性



サイバーセキュリティに関する話題は、デジタル庁からのセキュリティ対応態勢の構築についての説明と共に、英国からのガバナンスや成功事例、現在の課題も共有されました。この分野での協力と知見の交換は、両国の安定性向上に寄与するものと考えられます。

今後の展望



このような専門家会合を通じて、日英両国はデジタル・トランスフォーメーションを推進するために相互支援を強めることを目指しています。次回の会合は2026年に予定されており、引き続き両国のベストプラクティスの共有が期待されています。この協力が今後如何に発展するのか、私たちも目を離せません。

トピックス(IT)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。