東急リゾートタウン蓼科が描くカーボンマイナスの可能性
東急不動産株式会社が運営する東急リゾートタウン蓼科において、最新の技術を取り入れたカーボンマイナスの取り組みが始まっています。この研究は、住友電気工業株式会社との協力のもと、排煙中のCO2を吸収・固体化する装置を導入することにより、従来のカーボンニュートラルを超えた実践に向けた新たなステップです。
本取り組みは、これまで実施されてきたバイオマスボイラーによるエネルギー供給の手法を革新し、化石燃料に頼らない持続可能な社会の実現を目指しています。特に、タウン内の蓼科東急ゴルフコースに設置された“森のバイオマスボイラー”は、間伐材を資源としてウッドチップを燃料に使用し、地域の生態系を守る役割も果たしています。
森のバイオマスボイラーの仕組みと新技術の導入
このボイラーは、燃焼時に発生するCO2を木材が成長過程で吸収した量で相殺し、カーボンニュートラルを達成しています。しかし、最近導入されたCO2吸収・固体化技術により、排煙中のCO2をより効率的に処理できるようになりました。この新技術では、排出されたCO2を金属粉に変換し、安定した炭酸金属粉,
metacol™としてリサイクルします。これにより、環境へ再び放出されることを防ぎつつ、新たな商品開発への道も開けました。
CO2リサイクルから生まれたオリジナル商品
タウン内では、「CO2固めちゃいました。」をテーマにしたオリジナル商品も登場。これらは、森のバイオマスボイラーから回収したCO2を活用して製造されたもので、環境保護と地域経済の活性化を同時に意識しています。具体的には、以下の2つの商品が展開されています。
1.
もりをまもるゴルフティー
このゴルフティーは、metacol™と生分解性樹脂を使用しており、ゴルフ場でなくした場合でも自然に還る特性があります。
2.
もりをまもるボトル&スリーブ
使用済みのコーヒー粕を加えたエコボトル。使用することでプラスチック廃棄物を減らすことができ、森林の水質浄化機能を体現しています。
環境保護へのさらなる取り組み
この技術の導入によって、化石燃料を使用するプラスチックをリプレケットし、地域で生産されたCO2を貯蔵できる見込みです。これにより、バイオマスボイラーのカーボンマイナス効果を高め、持続可能な社会の構築に寄与します。今後もタウン全体のCO2をリサイクルする新たな商品の開発に力を入れていく予定です。
地域の森林資源を最大限に生かした取り組みが進む東急リゾートタウン蓼科。この手法が広がれば、持続可能なライフスタイルの実現が期待されます。環境への配慮を忘れず、次世代のために持続可能な未来を模索していく姿勢は、他地域にとっても大きな手本となるでしょう。