「おひとりさま終活」に関する意識調査が示す現状
2023年、一般社団法人 終活協議会と想いコーポレーショングループは、767名を対象に「おひとりさま終活」に関する意識調査を行いました。その結果、おひとりさま終活に対する認識や不安の実態が明らかになりました。本記事では、この調査結果を基に、現代における終活の重要性や課題について詳しく探ります。
調査の背景
最近、日本社会では「おひとりさま」という言葉が多く耳にされるようになりました。この言葉は、独身や一人暮らしの人を指し、特に高齢者を中心に増加している現象です。このような背景を踏まえ、終活に対する意識と行動を理解するために、本調査が実施されました。
調査結果の概要
現在の生活状況
調査の結果、独身で一人暮らしと実家暮らしを合わせると、約半数が単身生活者であることがわかりました。具体的には、独身・一人暮らしが22.7%、独身・実家暮らしが24.7%です。これに対し、既婚者の中で子どもがいる家庭が42%を占めています。大きな割合を占めるのは子どもがいる家庭ですが、単身で生活している人々がそれに続くことは、今後の社会的な課題を示唆しています。
「おひとりさま」に対する意識
多くの人が将来的に「おひとりさま」になる可能性を強く意識していることが分かりました。強く意識していると答えたのは32.5%、少し意識しているが38.2%で、合わせると70.7%に達します。このことは、単身という状態に対する関心が高まっていることを示しています。
不安の要因
調査の結果、最も多く見受けられた不安は「金銭面」に関連するもので、次いで「死後の手続きや遺品整理」が続きました。それぞれ33.8%、30.9%の人が不安を抱えています。このことから、おひとりさまの人々は経済的な不安を深く考慮していることがわかります。
準備の状況
身元保証人や緊急連絡先の準備状況については、すでに準備していると答えた人が27.9%、これから準備したいと考えている人が43.6%となっています。このことから、半数近くの人が将来的な備えに対して前向きであることが示されました。
サービスの認知度
一方、身元保証サービスの認知度は依然として低く、詳しく知っている人はわずか6.0%、名前を聞いたことがあるという人が48.1%でした。この結果は、サービスへの理解不足が終活の行動を妨げる要因の一つであることを示しています。
取り組みと今後の意向
また、実際に終活に取り組んでいる人は少数で、78.5%の人は特に取り組んでいないと回答しました。将来的に終活サービスを利用したいと考えている人は13.0%に留まり、興味があるが検討中という人が59.8%に上りました。このことから、まだまだ多くの人に対して行動を促す必要があることが分かります。
結論
調査結果から明らかなように、おひとりさまの終活に対する意識は高まっているものの、実際の行動には結びついていないことが示されました。金銭面や手続きに関する不安が多くの人々の心に影を落としており、情報の不足が行動を妨げています。終活に関する情報提供の質を高め、その内容をより多くの人に届けることが、今後の課題となるでしょう。特に、おひとりさまの人々に寄り添ったサポートが求められています。
終活協議会について
一般社団法人 終活協議会 / 想いコーポレーショングループは、終活に関する悩みに対して包括的なサポートを提供することを目的としています。2015年から活動を始め、全国的に情報を発信し続けています。今後も、終活に関する具体的な事例やサポート体制の強化が期待されます。