転倒リスク評価アプリ
2018-05-28 12:22:18

高齢者の転倒リスク評価をアプリで実現する新技術

高齢者の運動能力と転倒リスクを見える化するアプリ



日本の高齢化が進む中、高齢者の運動能力を的確に評価し、転倒リスクを減少させるための取り組みが進められています。そんな中、株式会社デジタル・スタンダードが開発したアプリ「Hacaroシリーズ」の中の「iTUG」が重要な役割を果たすことを目指しています。

iTUGとは?



iTUGは、リハビリテーションや高齢者医療に携わるプロフェッショナルたちが利用するために設計されたiPhone用アプリです。特に、Timed Up and Go(TUG)テストを基にしており、高齢者の歩行能力を定量的に評価するためのアプローチとして注目されています。このアプリの「i」は計測(Instrumented)の略で、測定を重視すべきことを意味しています。

TUGテストの役割



TUGテストは1991年にPodsiadlo博士によって考案され、世界中で広く用いられています。このテストでは、椅子に座った状態から起立し、3メートルの距離を歩いて戻るまでの時間を計測しますが、最近の研究で、この時間だけでは運動能力や転倒リスクを十分に把握できないことが明らかになりました。

新たな評価指標「iTUGスコア」



デジタル・スタンダードは、iPhoneに搭載されたセンサーを使用して、TUGテスト中の動作を劇的に詳細に解析しました。その結果、テスト中の動きの加速度を3方向(前後・上下・左右)で測定したデータが、運動能力の評価において非常に重要であることが判明しました。この新たな測定結果をもとに、「iTUGスコア」が確立され、TUGの時間に加え、立体的な加速度データを総合的に反映した結果を提供することが可能になりました。

研究成果の発表



この研究に基づく成果は、2018年5月25日、国際学術誌『Aging and Disease』に掲載されました。論文の著者には、洛和会音羽病院の医師やデジタル・スタンダードの研究者が名を連ね、信頼性の高いデータを提供しています。

アプリの活用と期待



「Hacaro iTUG」は、リリース以来、高齢者だけでなく、介護現場やリハビリに通う方々にも利用されています。これにより、入院や施設入所時の転倒リスクの評価が飛躍的に向上し、介護サービスの質も向上することが期待されています。アプリ自体は使いやすく、誰でも簡単に測定が可能です。

未来へのビジョン



デジタル・スタンダードは、年齢を問わず、全ての人々の運動能力向上のお手伝いを目指しています。山田茂樹氏は、「iTUGスコア」が日本のみならず、世界中に普及し、それが国際標準の測定方法として受け入れられることを期待しています。それにより、高齢者自身の健康管理やリハビリテーションがより一層進化することでしょう。

また、青柳幸彦氏は、子供から高齢者まで幅広い年齢層を対象にした運動能力測定アプリを開発することで、社会全体の健康を向上させたいと述べています。これからも、デジタル・スタンダードの進化に目が離せないでしょう。

まとめ



「Hacaro iTUG」は高齢者の健康維持に寄与する画期的なアプリです。運動能力を可視化することで、転倒リスクを低減し、安全な生活を送る手助けをします。このアプリを通じて、地域全体の高齢者福祉が向上することを期待しています。

会社情報

会社名
株式会社デジタル・スタンダード
住所
大阪府大阪市北区鶴野町1-9 梅田ゲートタワー20F
電話番号
06-7166-0600

トピックス(ライフスタイル)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。