全方向移動ロボットTriOrb、7000万円調達で協調作業システム開発へ

株式会社TriOrbは、福岡銀行および日本政策金融公庫からの協調融資により7000万円の資金調達を実施したと発表しました。この資金は、同社が開発する全方向移動ロボットTriOrb BASEを用いた、複数台連携による協調的なタスク処理の実装に充当されます。

TriOrbは、2023年2月の創業以来、TriOrb BASEを活用し、製造現場や建築現場におけるロボット導入の加速化に取り組んでいます。戸田建設株式会社との共同研究では、建築現場での資材搬送システムの実装にも成功しています。

今回の資金調達により、TriOrbは2023年の秋から冬にかけて自律移動ソフトウェア群のリリース、そして2024年度中には協調移動ソフトウェア群のリリースを目指します。これにより、複数台のTriOrb BASEが連携して、重量物の搬送や複雑な作業を効率的に実行できるシステムの構築が期待されます。

TriOrb BASEの特長

TriOrb BASEは、コンパクトでありながら高い走破性と移動性能を両立した全方向移動ロボットです。従来の機構と比較して、製造現場や建設現場といった、床面が荒れている場所や空間が狭い場所での活用に適しています。また、精緻な移動制御が必要な場面でも活躍が期待できるほか、メンテナンスの容易さも大きな特徴です。

TriOrbは、TriOrb BASEを通じて、重労働や劣悪な環境での作業、人手不足といった産業界が抱える課題の解決を目指しています。

開発スケジュール

TriOrbは、以下のスケジュールで開発を進めていきます。

2023年4月: TriOrb BASEのトライアル（レンタル）および販売開始。導入を検討する企業向けにレンタルトライアルを提供し、本格導入に向けたサポートを実施。
2023年秋～冬: 自律移動ソフトウェア群のリリース。指定地点間の自律移動を可能にするソフトウェアをリリースし、各種ロボットシステムとの連携を実現。
* 2024年秋～冬: 協調移動ソフトウェア群のリリース。複数台のTriOrb BASEによる協調移動を実現するソフトウェアをリリースし、協調搬送・作業システムの構築を可能にする。

資金調達について

今回の協調融資は、福岡銀行北九州営業部と日本政策金融公庫北九州支店が連携して実施されました。日本政策金融公庫は、新型コロナ対策資本劣後ローン（制度名：「新型コロナウィルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付」）を通じて、TriOrbの研究開発や人員確保のための運転資金を支援しました。

日本政策金融公庫は、今後も地域の成長を担うスタートアップ企業や、コロナ禍に立ち向かう中小企業・小規模事業者の事業発展・継続を積極的に支援していくとしています。

TriOrbは、TriOrb BASEを用いた協調作業システムの開発を通じて、日本の産業競争力の強化に貢献していくと期待されています。