AI導入支援の実態を見える化
株式会社Whableが運営する導入事例制作サービス「Re:Case」は、AI導入を支援する企業11社による83件の導入事例を独自に分析し、その結果を「BtoB導入事例白書 AI導入支援業界編」として公開しました。この白書は、AI導入を検討する企業が必要とする情報を得るための重要な資料となるでしょう。
調査の背景
AI導入を検討する企業にはさまざまな選択肢が存在します。競合他社のAI導入支援を含め、自社開発やSaaS、BPO、さらには業務の内製化といった選択肢が考えられます。これらの相対的なメリットを理解するには、各社の導入事例が顧客の視点に沿った形で提示される必要があります。しかし、多くの事例が取り組みの紹介に留まり、顧客がどのように意思決定を行ったかという情報は不足している現状が浮き彫りになりました。
分析の方法
Re:Caseでは、83件の事例を基に共通の評価基準を設け、どのように営業やマーケティングの資産として事例を活用できるかを検討しました。具体的には、次の5つの領域に基づいて評価を行いました。
1. 課題の広さ・重要度
2. 顧客の変化の大きさ
3. 成果を生む仕組みの明確さ
4. 選ばれた理由の明確さ
5. 事例の説得力
各評価は100点満点で行い、実際の顧客事例から引き出せる情報に基づいてスコアリングしました。特に、導入の決定に影響を与える情報が重要であることを再確認しました。
調査結果の発見
この調査で得られた発見は7つあり、それぞれ顧客の意思決定を支えるために必要な情報を提示しています。
1.
取り組みの全体像は確認できるが意思決定が不十分 83件すべての事例で具体的取り組みが確認できる一方で、比較検討の情報は18.1%に過ぎず、稟議・決裁に関する情報は6.0%しかありませんでした。
2.
定量的成果の記載は少ない 導入後の成果が定量化されている事例は37.3%に留まり、金銭的価値までは4.8%ほどです。これは、見込み顧客が得られる成果に不明瞭な点が多いことを意味します。
3.
時間短縮や生産性向上に偏った成果指標 特に「時間短縮・生産性向上」を訴求する事例の中では、54.8%が定量成果を示しているものの、それ以外の領域では成果指標の記載が少なくなります。
4.
選ばれた理由の重要性 上位群と下位群の差は、具体的に「選ばれた理由」を示せているかどうかにあります。顧客の意志決定を支える情報としては非常に重要です。
5.
比較検討の実態 競合企業だけでなく、内製やSaaS、BPO、人手による業務の維持も比較対象にされています。このことは、AI導入企業が他のすべての選択肢と比較される必要があることを示しています。
6.
稟議・決裁に必要な証拠の重要性 稟議・決裁に必要な情報として、事前検証やセキュリティ対応が求められていることも説明されており、AIによる導入効果の理解だけでは足りません。
7.
インタビュー型事例の優位性 インタビュー形式の事例は、プロジェクト紹介型よりも平均スコアが高い傾向が見られました。この手法によって顧客の生の声を反映させることができ、より信頼性の高い情報が得られます。
導入事例の価値
これらの調査結果を基に、Re:Caseは顧客にとって本当に役立つ情報を提供するための4つの重要なポイントを提示しています。つまり、顧客からの直接情報をもとにした事例制作、選ばれた理由をストーリーとしてまとめること、測定可能な成果を示すこと、そして営業ツールとして幅広く活用することが必要です。
企業の今後の取り組み
今後も株式会社Whableは、顧客の意思決定に寄与する資料を創造し続け、事例制作の重要性を広める活動を続けていくことでしょう。AI導入支援業界において、どのように顧客の課題を解決し、選ばれ続ける企業であるかを示す事例作成が求められています。顧客の信頼をいかに得るかが、成功の鍵となるでしょう。