地域の未来を描く子どもたちの絵本プロジェクトが始動
長野県野沢温泉村では、地域の未来を担う子どもたちと大人たちが協力して制作した絵本『ぐるぐるめぐる 野沢温泉のちいさなせかい』の出版を目指すクラウドファンディングが2025年12月25日より始まります。
プロジェクトの背景
日本屈指のスノーリゾートとして知られる野沢温泉村は、年間60万人以上の観光客が訪れる一方で、急激な土地価格の上昇や若者の転出など、村のコミュニティが失われかける危機に直面しています。こうした現状に危機感を抱いた「野沢温泉企画」では、村が持つ誇りや文化の持続可能性を高めるためのプロジェクトを立ち上げました。
絵本制作のプロセス
本プロジェクトは、地元の野沢温泉小学校の子どもたちが描いた絵をもとに、地域の大人たちが文化や歴史の物語を織り交ぜて一冊の絵本に仕上げるものです。子どもたちが表現したのは、道祖神祭りや雪の風景、地元特産の美味しいお米や野菜など、日常の中での「宝物」。その感性に沿って、大人たちは先人たちの知恵やストーリーを添え込みました。これにより、子どもたちと大人たち、地域の文化が一体となって機能する温かいプロセスが展開されています。
絵本の目的と寄贈
完成した絵本は村内限定で販売されるほか、クラウドファンディング参画者には特別に提供されます。収益は全て野沢温泉村に寄付され、地域の未来のために活用される予定です。また、完成した絵本は近隣の子どもたちにも寄贈され、地域の文化を次世代に伝える役割を果たします。
プロジェクトの基本情報
- - タイトル:『ぐるぐるめぐる野沢温泉のちいさなせかい』
- - 総冊数:限定1,000冊
- - 企画・製作:株式会社野沢温泉企画(代表取締役:河野健児・石田遼)
- - 絵を担当:野沢温泉小学校の子どもたち
- - 出版予定:2025年12月
地域の未来を考える
この取組は「地域の未来を考える」という大きなテーマのもとで進められています。地域の独自性を守り、未来に向けた持続可能な文化の継承を目指すこのプロジェクトは、全国でも珍しい試みです。地域の価値を理解し、他地域にも波及効果を与えることを期待しています。
代表者のコメント
株式会社野沢温泉企画の代表取締役である河野健児さんは、この絵本が地域の未来を明るく照らし続ける存在になってほしいと語ります。「道祖神祭りの炎やブナの森の恵みが地域を温めてきたように、この絵本も温かい存在であってほしい」としています。また、石田遼さんも「この一冊が全国の地域に『ハッピーシナリオ』を描くヒントになれば」と願っています。
この絵本と一緒に、野沢温泉村の魅力を渉猟し、地域の未来を共に考える機会を持ってみてはいかがでしょうか。その一歩が、文化を次世代へとつなげる鍵となるのです。