帝国不動産、AIを駆使した入居審査業務の効率化
東京都中央区銀座に本社を置く帝国不動産株式会社は、業務効率化に向けた新たな取り組みとして、自社開発のAIプラットフォーム「ACAT」を活用しています。この技術により、入居審査業務において最大約70%の工数削減を実現しました。
効率的な業務運用の実現
この新しいAIシステムは、書類の確認作業をAIが支援するもので、入居申込者が提出する複数の書類をスキャンし、それに基づいて確認が必要な項目を自動的に抽出します。そのため、書類照合や確認事項の整理が迅速に行え、これまで1件あたり25分かかっていた業務が、8分に短縮される成果を上げています。AIは最終的な入居可否の判断を行うことはありませんが、担当者がスムーズに確認を行えるようにサポートします。
背景に潜む課題
入居審査には、複数の書類や募集条件を正確に照合する必要がありました。これまでは、人手での作業が主流であったため、業務の負担が重く、確認精度や所要時間が担当者個々の経験に依存することが問題視されていました。特に繁忙期には、審査件数が増えることで業務が一部の担当者に集中し、現場の負担が大きくなっていました。
RAGエージェントの機能
新たに導入されたRAGエージェントは、入居審査に必要な書類をPDF形式で簡単にアップロードすることで、わずか30秒で確認結果を提供します。主な機能としては、以下の内容が挙げられます。
1. 書類情報の照合:申込書や本人確認書類、管理システムから得た情報を基に、氏名や住所の細かい相違を見つけ出します。
2. コンプライアンスチェック:申込者や法人代表者に関する確認事項を整理し、正確な確認を行います。
3. 本人確認書類の有効性確認:個人情報が適切にマスキングされているかどうかをチェックします。
4. 契約条件や承認状況の確認:賃料や諸費用が募集条件と一致しているか、適切な承認が得られているかを確認します。
このプロジェクトは、業務軽減だけでなく、確認の品質向上にも貢献します。
年間の業務規模
帝国不動産では年間約15,000件の入居審査業務を行っています。今回の導入により、1件あたり約17分の業務削減が期待されており、全体の業務効率向上に寄与することが見込まれています。特に、AIが定型的な確認を代行することで、担当者の精度にばらつきがなくなり、安定した業務プロセスが構築されます。
将来的な展望
今後、帝国不動産はRAGエージェントの利用状況と確認精度を定期的に検証し、その結果を元に他の業務への展開を目指しています。特に、外部の反社会的勢力チェックサービスとのAPI連携により、審査の精度向上と担当者の負担軽減を図る予定です。AIと人の役割を明確にして、社員がより付加価値の高い業務に集中できる環境づくりを進めていく方針です。
ACATについて
ACATは、帝国不動産が自社開発したAIプラットフォームで、さまざまな業務を支援します。一つのシステムで主要な生成AIや業務特化型のAIが集結し、社員の業務効率化に貢献しています。定型業務の自動化や日常的な業務支援により、全体的な業務のスムーズな運営が可能となります。
企業紹介
帝国不動産株式会社は、2026年5月に社名変更した企業で、「美しい暮らし方を住まいから」という理念のもと、賃貸集合住宅の開発と管理を手掛けています。今後も地域の未来を共創していくことを目指し、持続可能なサービスの提供に努めていきます。