熱中症予防啓発プロジェクトの取り組み
2018年、日本を訪れる外国人旅行者は3000万人を超え、2020年のオリンピック開催に伴って更なる増加が見込まれています。しかし、日本の夏は非常に暑く、特に外国からの観光客にとっては危険が伴う季節です。実際、2018年7月の1週間で熱中症による救急搬送が全国で約9900件に達しました。
欧米人の熱中症リスク
訪日外国人の中でも欧米から来た人々は、日本の湿気に慣れていないため、熱中症になる危険性が高いのです。これを受けて、跡見学園女子大学のマネジメント学部環境マネジメント学科に所属する石渡ゼミは、2018年から「熱中症啓発プロジェクト」を始めました。このプロジェクトの目的は、日本の暑さについての知識を外国人に提供し、自ら熱中症予防に努めさせることです。
3年間の啓発活動
プロジェクトは2020年まで続く予定で、毎年様々な形で啓発活動を行っています。2018年の夏には、浜離宮恩賜庭園で外国人524人を対象にアンケート調査を実施し、ほとんどの欧米人が熱中症対策をまったく知らないことが明らかになりました。この結果を踏まえ、2019年8月5日から10日まで、再度浜離宮恩賜庭園で熱中症予防のイベントを開催することとなりました。
浴衣でのおもてなし
このイベントでは、石渡ゼミの学生たちが浴衣を着て参加し、英語での対応を行います。参加者には日本の夏の風物詩である浴衣を通じて、日本の文化を感じてもらう狙いがあります。また、マック・カレン先生による着付け講習会も開かれ、学生たちは自らが浴衣を着られるようになりました。
多様な体験コーナーの設置
イベントでは、熱中症予防に関するクイズや、体温を下げるための体験コーナー、さらにSNS用のフォトブースなどが設けられます。参加者は楽しみながら熱中症の知識を学べる機会となるでしょう。さらに、熱中症予防に関する商品サンプルやパンフレットも配布され、企業との協賛関係を活かして、効果的に啓発活動を進めています。
社会課題解決に向けて
このプロジェクトは、生活環境マネジメント学科での学びと日本文化を外国人観光客へのおもてなしに結び付けています。計画は年々進化し、昨年を上回る内容を意識して取り組んでいます。特に、外国人観光客が日本での滞在中に安全かつ快適に過ごせるよう、今後も熱中症予防の意識を高める啓発活動を続けていく意向です。
イベント概要
- - 日時: 2019年8月5日(月)〜10日(土)10:00〜15:00(雨天決行、荒天時中止)
- - 場所: 浜離宮恩賜庭園
- - 主催: 跡見学園女子大学マネジメント学部生活環境マネジメント学科石渡ゼミ、公益財団法人東京都公園協会
このプログラムは、多様な文化が交わる日本を訪れた外国人にとって、大変貴重な経験になることでしょう。