デクセリアルズ、5年連続で世界シェアNo.1を獲得した理由とは
栃木県下野市に本社を置くデクセリアルズ株式会社は、2024年7月に発表された市場調査レポートにおいて、製造・販売している3つの製品が5年連続で世界シェアNo.1を獲得したことが判明しました。この3つの製品とは、異方性導電膜(ACF)、スパッタリング技術で製造された反射防止フィルム、そして光学弾性樹脂(SVR)です。
成長を支える3つの製品
デクセリアルズの異方性導電膜(ACF)は、ICチップを基板に実装する上で重要な接合材料であり、多くの電子機器に使用されています。最近では、スマートフォンのディスプレイが液晶からフレキシブルOLEDへの移行を進めており、この製品が高い信頼性を誇っています。特に「粒子整列型異方性導電膜」は信頼性が高く、微細な接続に最適です。
生産能力拡張を進めるデクセリアルズは、2026年に第2工場を拡張し、生産能力を今の2.5倍に増強する計画を立てています。
次に、反射防止フィルムについてですが、このフィルムはディスプレイ表面に施され、光の反射を抑えることで視認性を向上させます。デクセリアルズはこのフィルムにスパッタリング技術を採用し、金属酸化膜の層を形成することで高い耐久性を実現しています。最近では自動車向けの需要が増加しており、専用ラボ「AS Lab.」の設立を通じて、顧客のニーズにこたえた試作や設計を行う体制を整えています。
光学弾性樹脂(SVR)は、ディスプレイ内部で液晶モジュールとトッププレートを接着する役割を果たします。この樹脂は高い光学特性を持ち、その優れた性能により、自社製品はスマートフォンやタブレットだけでなく、車載ディスプレイにも広く採用されています。
中期経営計画と今後の戦略
デクセリアルズは2024年に新たな中期経営計画を発表し、今後の経営戦略を明確にしました。将来的には、技術革新をリードし続けることを目指し、持続可能な社会の実現に貢献できるよう、高付加価値製品や技術ソリューションの提供に注力しています。
シフトを続けるテクノロジーの中で、顧客にとっての価値を常に考える姿勢は、デクセリアルズの企業理念である「誠心誠意・真摯であれ」にも現れています。この理念は、社会の変化に迅速に対応し、次世代のデジタルテクノロジーに対応した製品作りに貢献しています。
まとめ
デクセリアルズの成功は、優れた製品開発が支えています。異方性導電膜、反射防止フィルム、光学弾性樹脂の3つの製品が世界シェアNo.1を維持することで、同社はテクノロジーの進化に貢献し、持続可能な社会の実現に向けてさらなる成長を目指しています。今後も注目が集まる企業であり続けることでしょう。