最近のカスタマーサクセス市場動向
バーチャレクス・コンサルティング株式会社が実施した「2026年カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査」では、顧客との関係性深化や持続的成長に必要不可欠なカスタマーサクセスの重要性が改めて紹介されている。この調査は2019年から毎年行われており、今回が8回目にあたる。
調査の目的と背景
カスタマーサクセスは特にSaaS企業の成長に寄与した戦略として認知されているが、近年は多くの業界でその実装が進んでいる。本調査の対象は業種・企業規模を問わず、幅広い職業層を対象にしている。また、カスタマーサクセス未導入企業の意識や課題を理解することも目的の一つだ。調査結果は「カスタマーサクセス導入率」やその成果、業績への影響、さらにはAIの活用状況まで多方面にわたる。
認知度の向上
調査によると、「カスタマーサクセス」という言葉を知っている人の割合は25.2%に達し、これは昨年比で3.3ポイント上昇している。この結果は、特に経営層での理解が進んだことを示しており、企業の成長戦略の中心としての位置づけが強まっていることを表している。過去の調査と比較すると、2019年からほぼ横ばいだった認知度が初めて25%を超えた。
企業の取り組み
カスタマーサクセスを実施している企業の割合は50.3%であるが、この数値は大きな変動なく高止まりしている。一方で「今後取り組む予定」と回答した企業はわずか6.4%で、新たに検討する企業が減少傾向にあることが伺える。これにより、「知識はあるが導入に至らない」との判断を下している企業が残る現状が浮き彫りとなった。
様々な業種での取り組み
特にITやデジタル関連の業界では取り組み率が57.2%を超えており、引き続き高い実施率を維持している。しかし、製造業やサービス業でも変化が見られ、特に公共セクターにおけるカスタマーサクセスの取り組みも年々増加している。このことは非サブスクリプションビジネスでも顧客満足度やリピート購入を重視する動きが増えていることを示している。
今後の展望
直近三年間における進捗に関しては80.4%の人が「進んだ」と報告しており、IT業界が牽引しているが、その他の業種でも進行していることがわかる。ただし、認知度や理解度の向上にもかかわらず、導入率は高止まりしていることから、カスタマーサクセスの実行フェーズへ移行しつつあります。
ここでキーとなるのが、経営層の理解とAI技術の有効活用である。実務レベルでの知識の定着や高度な運用を求められる時代に突入しており、これから一層高い戦略的取り組みが要求される。その成果は企業全体の成長に直結するため、全業界のリーダーは存分にこの戦略を取り込む必要がある。が、単なる導入ではなく、実効性と持続性が今後問われてくると考えられる。
この調査結果が、今後のカスタマーサクセス戦略にどのように反映されるのか、引き続き注目していく必要がある。
【調査概要】
- - 調査方法:インターネットアンケート
- - 実施期間:2026年3月12日〜3月17日
- - 対象:20歳〜65歳の有職者(専門職を除く)45,571人を対象としました。
過去の調査結果については、2019年から2025年までのデータを確認できる。