都市防災を学ぶ新しい形
2024年12月3日、東京の工学院大学新宿キャンパスでは、学生と教職員が一堂に会し、体験型の防災訓練が行われました。この訓練は、都市防災を専門とする村上研究室が主導し、実際の災害に即した知識と技術の習得を目指しています。訓練には、能美防災株式会社提供の「火災臨場体験VR」も取り入れられ、参加者はよりリアルに災害時の状況を体験しました。
防災訓練の意義と内容
この防災訓練は、参加者に災害発生時に必要な行動や知識を提供することを目的としていました。特に都市部では、災害が発生した際の混乱を考慮する必要があります。村上研究室は、日常的な備蓄品の重要性や、非常食を美味しく料理する技術、緊急時の助けを求める方法を教えるなど、実践的なトレーニングを行いました。
当日は、都市防災の基本を学びつつ、以下のようなアクティビティが実施されました。
- - アレンジ炊き出し:学生が考案した非常食を用いた料理を通じて、限られた食材で美味しく食べる工夫を学びました。
- - 大声コンテスト:緊急時に必要な大声を出す練習を行い、助けを求める力を具体的に養いました。
- - 脱出ゲーム:高層ビル内での災害時の対応をテーマにしたクイズに挑みました。
- - 火災臨場体験VR:現実に近い環境で、火災や地震による混乱の中で避難を行う能力を養いました。
- - イーバックチェア体験:障害者や要支援者を救助するための訓練も行われ、実践的なスキルの習得に努めました。
都市部ならではの特性
工学院大学新宿キャンパスは、2011年の東日本大震災の際には災害時の一時滞在施設として機能していました。これにより、大学は災害時の地域社会への貢献を常に考えてきました。また、八王子キャンパスにはコージェネレーションシステムも導入されており、災害時に電気や水を地域に供給できる体制が構築されています。
村上研究室の瀧本さんは、参加者が楽しく防災に関する知識を深められるよう工夫を凝らしており、今回の訓練の中でも各プログラムの体験時間を短縮し、手軽に参加できる内容に仕立てました。
参加者の声
参加者の反応も上々で、「災害時に自分がどう行動すべきかが分かった」と評価されました。また、能美防災の元村さんも、「このVR体験を通じて、実際に起こり得る状況を意識することが大切」と強調し、普段は目にしない防災設備の重要性を伝えました。
結論
今回の防災訓練は、参加者が実践的な能力を身につけると同時に、防災に対する意識を高める貴重な機会となりました。都市での生活を考えたとき、こうした訓練がもたらす効果は計り知れません。万が一の災害に備え、今後も継続的に参加することが重要です。