東京都、サーキュラーエコノミー推進に向けたファンド設立
東京都は、循環経済と自然資本の分野に特化した新しいファンド、名付けて「サーキュラーエコノミー・ネイチャーポジティブ1号投資事業有限責任組合」を設立しました。このファンドは持続可能な社会の実現を目指すものであり、国内のスタートアップ企業に対する投資を通じて機能します。
ファンドの目的
ファンドの主な目的は、サーキュラーエコノミーやネイチャーポジティブの促進に向けた新たなファイナンスモデルを確立することです。この取り組みは、脱炭素社会への移行を見据えた重要なプロジェクトの一環として位置づけられています。日本ではまだこの分野のビジネス環境が整っていないため、民間資金のさらなる供給が求められています。
ファンドを通じて、革新的なアイデアや技術力を持つスタートアップの育成を支援し、より環境に配慮した社会を目指すことが期待されています。ファンドの運営には、SBI新生企業投資株式会社と三井住友トラスト・インベストメント株式会社が関与します。
ファンドの基本情報
このファンドは、2025年2月28日付けで設立され、主に国内でのサーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブ、そしてクライメートテックをテーマにした事業に対する投資を行う予定です。具体的には、サーキュラーエコノミーに関しては資源のリサイクルや再利用、ネイチャーポジティブに関しては生物多様性の保護や生態系の回復に関するプロジェクトに焦点が当てられています。
- - ファンド名: サーキュラーエコノミー・ネイチャーポジティブ1号投資事業有限責任組合
- - 組合設立日: 2025年2月28日
- - 運営事業者: SBI新生企業投資株式会社、三井住友トラスト・インベストメント株式会社
- - ファンド規模: 60億円
- - 都の出資規模: 30億円
ファンドの存続期間は12年間ですが、必要に応じて最長3年間の延長も可能です。ファンド設立時にはSBIグループや三井住友信託銀行も投資家として参加します。更なる拡大を目指し、運営事業者は他の投資家の募集も行う計画です。
今後の方針
2025年3月に都の出資が完了した後は、ファンドの運営事業者が約100億円を目標にLP出資者の募集を開始します。また、革新的な技術を持つスタートアップへの投資を2030年2月頃までに順次実行していく計画です。
東京都は、このファンドを通じてサーキュラーエコノミーやネイチャーポジティブに関連する企業の成長を支援し、具体的な成功事例の創出を目指しています。環境及び持続可能性に配慮した新たなビジネスモデルの確立に向けたこの取り組みは、将来的に地域経済にも大きな影響を与えることでしょう。
このプロジェクトは「2050東京戦略」にも絡んでおり、東京が国際金融都市としての地位を確立し、環境保護に向けた取り組みを広げていくための一環です。