上天草市におけるSePセパレートOPの導入事例
熊本県上天草市は、ハミングヘッズ株式会社の主要製品である「Security Platform (SeP)」のセパレートオプションを導入することにより、業務の効率化とコスト削減を実現しました。本記事では、上天草市がどのようにしてこのシステムを活用し、PCの運用台数を400台削減したのかを詳しく解説します。
1. BCP対策の意識の高まり
近年、自然災害の頻発や新型コロナウイルス感染症の影響から、自治体のBCP(事業継続計画)対策への意識が高まっています。オフィス用品販売のプラス株式会社が行った調査によると、約78.7%の自治体職員がBCP対策の重要性を感じていると回答しています。特に、近年の地震や台風、感染症リスクへの備えがその理由として挙げられています。
上天草市では、2016年の熊本地震と2020年の新型コロナウイルスの影響を受け、市庁舎の閉鎖を経験しました。そのため、テレワーク環境の整備が最重要課題となっていました。当初、テレワークを実施するためには仮想ブラウザ方式を検討しましたが、コストが高く使い勝手にも課題がありました。そこで、上天草市はSePのセパレートOPの採用を決定しました。
2. 端末の統合によるコスト削減
SeP導入前、上天草市ではLGWAN接続系とインターネット接続系を物理的に分けて運用していました。そのため、約400台のPCを2系統分調達する必要があり、合計で約800台が必要でした。しかし、セパレートOPの導入により端末の統合が可能になり、実際に400台のPCのみで済むようになりました。この変更により、大幅なコスト削減を実現しています。
SePセパレートOPでは、1台のPCでLGWAN接続系とインターネット接続系の業務を同時にセキュアに運用できるため、職員は直感的に機能を切り替えることができます。この分かりやすさが、職員から高く評価され、運用開始後の問い合わせも特にありませんでした。
3. OneDriveを活用したセキュリティ強化
上天草市では、OneDriveをファイルサーバーの代わりに活用しています。SePのセキュリティ機能により、特定URLの制御や自動暗号化が行われ、安全なクラウド環境が確保されています。これにより、Microsoft 365 E3のOfficeだけ利用するなど、コストの無駄も削減しています。
さらに、市では他社製のVPNセキュリティソリューションとSePの非SeP拒否OPを併用することにより、テレワーク環境におけるセキュリティも強化しています。これにより、VPNを活用した安全な業務運用が実現しています。
4. 今後の展望
上天草市は、クラウド活用を進めながらセキュリティ対策も強化し、SePやセパレートOPの利用を通じてさらなる可能性を広げています。今後もハミングヘッズは、上天草市を含む地方公共団体のニーズに応えるため、全力でITシステム環境の支援を行っていく所存です。
この成功事例から、高まる自治体のIT環境整備へのニーズを感じることができ、今後のさらなる発展が期待されます。