健康維持には甲状腺の働きが重要
最近の健康トピックの中でも、甲状腺疾患は特に注意が必要です。甲状腺は喉仏の下に位置する寸法5㎝ほどの小さな臓器ですが、腸や心臓、脳、筋肉など様々な臓器の活動を調整する重要な役割を担っています。驚くべきことに、甲状腺に何らかの異常がある人は日本全国で推定700万人存在し、そのうち約240万人が治療を要する患者だと言われています。しかし、実際に治療を受けているのは90万人ほどであり、多くの人が症状を軽視していることが分かります。
甲状腺の主な病気と症状
甲状腺に関する病気には、最も一般的なものとして「バセドウ病」があります。バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰になりすぎることで生じる病気で、代表的な症状としては「疲れやすい」「動悸がする」「手足が冷える」などがあります。これらの症状は、加齢や過労だと思われがちですが、それが病気によるものである可能性もあるのです。
加えて、バセドウ病に伴う合併症として「甲状腺眼症」があります。実際、約3割の患者が目に異常を訴えることがあるため、注意が必要です。甲状腺眼症は視力に影響を及ぼす可能性があるため、早めの診断と治療が重要です。
早期発見の重要性
甲状腺疾患を見逃して放置すると、心疾患のリスクが高まり、最悪のケースでは命に関わる事態になりかねません。そこで、専門医による早期発見のポイントが紹介されました。日常的に気を付けるべきは、自分の身体の変化に敏感になり、特に年齢や忙しさによる疲労感と考えず、専門医に相談することです。
バセドウ病の治療法
バセドウ病の治療法には、主に3つの方法があります。一つは薬物療法で、甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬を使用します。二つ目は放射線治療で、甲状腺の機能を減少させる方法です。そして最後は手術療法です。これらの治療法は患者の状態に応じて選択されます。
橋本病について
甲状腺の機能が低下する病気として「橋本病」があります。この病気は40代以上の女性に特に多く見られ、なんと10人に1人が罹患していると言われています。橋本病の主な症状としては、疲労感、体重増加、冷感などがありますが、こちらも忙しさや年齢のせいにされることが多く、見過ごされがちです。
甲状腺にできる腫瘍
さらに、甲状腺に腫瘍ができることもあります。この腫瘍には良性のものと悪性のものが存在しますが、早期に発見すれば大半は治療可能です。いずれにせよ、自分自身の健康状態をしっかり把握し、適切に行動することが、元気な日々を保つためには不可欠だと言えるでしょう。
まとめ
甲状腺疾患に関する知識を高めることで、多くの人々が健康を保ちながら、素晴らしい日々を過ごせるようになるはずです。頻繁に身体の状態を確認し、異変を感じたら早めに専門医の診察を受けることをお勧めします。健康は一生の財産です。