医薬品卸業界初のEV社用車導入実験がスタート
医薬品卸業界での新たな挑戦が始まりました。株式会社アステムと住友三井オートサービス(以下SMAS)は、脱炭素化を進めるための共同プロジェクトを展開します。このプロジェクトの一環では、アステムが社用車の主力モデルを電気自動車(EV)へと切り替える実証実験を行います。
サプライチェーンでの環境意識の高まり
最近、製薬業界においては環境意識がより一層重視されています。特に日本製薬工業協会が求めている物流分野におけるCO2排出の可視化やグリーン物流の導入は、卸業者にとって急務とされています。この流れを受け、アステムでは脱炭素に向けた具体的な計画を策定することが求められ、SMASの「グリーンフリート・マネジメント(GFM)」が選ばれた理由です。
GFMの役割と機能
SMASが提供するGFMは、テレマティクスやビジネスMaaSのデータを活用し、企業のCO2排出量を分析します。アステムがGFMを導入する際に特に高く評価されたのは、現状分析の徹底、課題の可視化、そして実行可能なロードマップです。これらの要素は、アステムが1800台の社有車を運用する中で特に重要な役割を果たします。
実証内容と目的
今回の実証実験は、アステムの延岡日向支店で実施され、主に4台の「N-VAN e:」 を使用します。この実験では、以下の点を中心に検証が行われます。
1. 走行パフォーマンスや業務における有用性
2. CO2排出量および電力コストのモニタリング
3. 同時運用時の電力負荷分析と最適な充電マネジメントの実装
これらのデータを用いて、業界標準となるEV運用モデルを確立することを目指しています。電力ピークの抑制や充電の平準化を図りながら、持続可能な物流体系を築くための基盤を作ります。
未来への展望
この取り組みはただの実験に留まるものではありません。SMASは、GFMを通じてEV導入だけでなく、その後の充電インフラの最適化、そして業務効率向上の支援を行っていきます。アステムの取り組みが医薬品卸業界全体の脱炭素化に寄与し、さらには日本のサプライチェーン全体へと広がることが期待されます。こうした新しい形の物流が、今後の業界におけるスタンダードとなる日も近いでしょう。