KudanがFox SportsとのXR放送に革新をもたらす技術導入を発表
株式会社Kudan(以下「Kudan」)は、アメリカのEAの大手スポーツ放送局Fox Sportsとの協力を強化し、同社の放送トラックにKudanのリアルタイムカメラトラッキング技術を常設導入しました。この放送トラックは、試合会場ごとに移動するライブ中継の中枢機能であり、すべてのカメラやデータ映像を集約・制作する役割を担っています。
この技術の導入により、Kudanのトラッキングシステムが全シーズンにわたってすべての試合・会場で使用できるようになり、XR映像演出の新たな基盤が整いました。Kudan独自のSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)アルゴリズムは、特許を取得した高周波センサーフュージョン技術を用いて、XR放送向けにさらに強化されています。
2024年のNFLシーズン全体での運用実績を積むことで、特にスーパーボウル中継では1億人以上の視聴者に臨場感あふれるXR演出が届けられ、その技術力の高さが再度証明されました。
今回の常設化により、Fox Sportsは従来のイベント単位での運用から、シーズン全体を通じての本格的な常用環境へと移行しました。Kudanの技術がライブスポーツ放送の「標準インフラ」として採用されたことにより、信頼性、拡張性、そして創造性が改めて評価されています。
この新しいソリューションによって、Fox Sportsはフォトリアルな3D XRグラフィックをリアルタイムでライブ映像に重ね合わせることが可能になりました。これにより、ライブ制作現場が以下の3点で大きく変革されます。
1.
測量ビーコン不要のフォトリアルXR
以前必要だった高コストの測量やビーコン、光学式トラッキング装置を使用せずに、リアルな3Dグラフィックをライブ映像に直接重ね合わせることができます。
2.
カメラ間で共有される統一座標空間
すべてのカメラは同一の空間基準上で動作し、アングルを切り替えてもXR映像の位置が正確に維持されるため、自然で滑らかな映像切り替えが実現します。
3.
ライブ制作に最適化された統合設計
放送トラックやオペレーションツールとの緊密な連携により、セットアップ時間やリスクを大幅に削減。スピードを重視する中継現場において、安定したXR演出が可能になりました。
今後KudanはSLAMおよびXR技術の新機能開発を進め、バーチャルスタジオなど新たな制作環境での活用方法を模索していく予定です。また、主要スポーツやライブイベントへの展開も進めており、放送や映像制作分野に新たな価値を提供することを目指します。
Kudan株式会社とは
Kudanは現実空間とデジタル空間を繋ぐ空間知覚アルゴリズムの研究開発を行い、ロボティクスや自動運転、デジタルツインなどの次世代ソリューションの進化に貢献しています。
英国発祥の企業であり、革新的な人工知覚技術を核に、AIの適応をデジタル空間から現実空間に拡張することで、自動化・無人化・遠隔化を推進し、社会の様々な課題解決と生産性向上を目指しています。詳細は
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