舞台『MOTHERマザー~特攻の母 鳥濱トメ物語~』の魅力
舞台『MOTHERマザー~特攻の母 鳥濱トメ物語~』が、東京を皮切りに全国で上演される。この作品は、戦後72年の歳月を超え、特攻隊員たちとその“母”と慕われた鳥濱トメの心の物語を描く。
近年の舞台女優としても活躍する大林素子さんが主演を務め、彼女が演じるトメは、特攻隊員たちが出撃前に訪れる軍指定の食堂「富屋食堂」の経営者。この食堂が舞台となり、出撃に向かう若者たちの葛藤や彼らを見送るトメの心情が、深く感動的に表現されている。
記憶を未来に引き継ぐ
特攻隊員たちは、戦争という厳しい現実の中で、出撃前の心のよりどころとして富屋食堂を訪れていた。トメの明るく優しい性格は、彼らにとって母親のような存在であり、食堂での飲み会や語り合いは、彼らの心の安らぎとなっていた。
「もうすぐ出撃する」という言葉が交わされる中で、彼らはさまざまな思いを抱えてトメに寄り添っていたが、トメはただその姿を見守ることしかできなかった。
この舞台は、特攻隊員たちの若き日の姿と戦争の現実を、観客に鋭く投げかける作品として迫力満点で展開される。
豪華なキャストと協力者
今回の作品には、主役の大林素子以外にも、お笑い芸人のワッキーが特攻隊の隊長役で出演するなど、バラエティ豊かなキャスト陣が魅力。
さらに、舞台のセットは実際の富屋食堂を再現しており、鳥濱トメの実の御子孫による全面協力のもとで、当時の空気感が観客に伝わる細部へのこだわりも印象的だ。
公演情報
舞台の初日を飾る東京公演は、2017年10月5日から10月9日まで新国立劇場で上演され、その後静岡、岐阜と続く。
チケットは事前購入が可能で、各地での料金設定もされているため、観劇予定の方は早めの予約をお勧めする。
公演スケジュール
- - 東京公演:2017年10月5日(木)~10月9日(月・祝) @新国立劇場
- - 静岡公演:2017年10月18日(水) @静岡市清水文化会館マリナート劇場
- - 岐阜公演:2017年10月21日(土) @不二羽鳥文化センター
この舞台は、戦争の記憶を風化させず、未来へと引き継ぐ意義深い作品である。観客は、鳥濱トメの視点を通じて特攻隊員たちの無念や希望、彼らを見送った家族の思いを感じることができるだろう。
この特別な物語を、是非その目で感じてほしい。