新しい狂言の幕開け「藪知らず」
千葉大学の学生たちが創作する狂言「藪知らず」が、令和7年12月28日(日)に青葉の森公園芸術文化ホールの能舞台で上演される。このプロジェクトは「見る、知る、伝える千葉」というテーマのもと、地域に根ざした物語や伝承を狂言形式で発表してきた歴史がある。毎年展開されるこの演目は、伝統的な狂言の要素と現代的な視点を融合させることで、多様な感性に訴える作品を生み出している。
「藪知らず」の物語の背景
今回の演目では、市川市本八幡に存在する禁足地「八幡の藪知らず」を舞台にした物語が描かれる。水戸黄門が信仰心の厚い住民たちとぶつかり合う様子からは、信仰を守り続けようとする人々と、寺社改革を進める水戸黄門の対立が繰り広げられる。そこには、笑いを誘うシーンや、観客に深く思索を促すセリフが凝縮されており、観る者を引き込む魅力がある。
この公演の特異性の一つは、千葉大学の学生が舞台装置や展示を手がける点だ。彼らは、作品の背景や舞台設営について徹底的に研究し、観客が作品の世界に没入できるような工夫を凝らしている。あわせて、学生たちの手によるパネル展示が用意されており、観客は舞台の物語の背後にある文化や歴史を感じることができるだろう。
学生によるプレゼンテーションと展示
公演に関連して、千葉大学の西千葉キャンパス図書館にて公開プレゼンテーションや展示も行われる。プレゼンテーションは令和7年12月1日(月)に開催され、入場は無料で事前の申込みも不要だ。さらに、同日から12月26日(金)までの間、図書館内の展示スペースで、作品に関連する展示が行われる。これらのイベントは、一般参加も歓迎されており、多くの人々に狂言を通じて千葉の文化を伝える貴重な機会となっている。
公演の詳細
狂言「藪知らず」の公演は、12月28日(日)14時からの開演予定。チケットは全席自由で提供されており、一般が2,000円、30歳以下が1,000円、小中高生がわずか500円という非常にお得な価格設定となっている。特に、学生がプロジェクトに直接関与しているため、若い観客にも身近に感じて欲しいという思いが込められている。
この機会にぜひ、伝統文化と若者たちの新しい創造力が交錯する舞台「藪知らず」を体験してみてはいかがだろうか。狂言の持つ面白さだけでなく、文化を大切にする地元の声に耳を傾けるきっかけとなるに違いない。
公演を通じて、歴史のある千葉の伝承がどのように今に生き続けているのか、そのメッセージを受け取ってみるのも興味深い旅になることだろう。