ゼラチンと香りの関係
2025-12-22 12:09:18

北海道からの新発見!ゼラチンが香り成分に与える影響とは

ゼラチンがマーガリン類の風味に与える影響



近年、食の質向上がますます注目されていますが、雪印メグミルク株式会社が行った研究が新たな風を吹き込んでいます。彼らの研究チームは、マーガリン類におけるゼラチンの役割を明らかにし、花が香るバター様風味の向上に向けた大きな一歩を踏み出しました。

研究の背景


マーガリンは、バターに似た風味を持つ植物性の食品として人気を集めていますが、特に低脂肪タイプにおいては、香り成分の放出が不足し、バター風味の再現が難しいのが課題でした。これまで、油水界面の構造と香りの関係については研究が進んできましたが、W/O乳化物におけるゼラチンの影響はあまり注目されてこなかったのです。

ゼラチンの影響


この度の研究では、ゼラチンを含むマーガリンの香り成分が、ゼラチンを含まないマーガリンよりも大幅に減少することが分かりました。これはゼラチンとの相互作用によるものであり、脂肪酸の放出が抑えられてしまうという結果が得られたのです。これにより、今後の低脂肪マーガリン類の研究開発に新たな方向性が見出されたことが伺えます。

受賞歴と今後の展望


本研究は、最近開催された「日本油化学会第63回年会」で発表され、関東支部から若手研究者奨励賞を受賞しました。この受賞に際して、塚越詩織氏は受賞記念講演会で結果を報告し、多くの反響を呼びました。また、成果は「Journal of Japan Oil Chemists' Society」にも掲載され、高い評価を得ています。

今後の期待


雪印メグミルクは、今後もバター様の風味を向上させた低脂肪マーガリン類の開発を進め、この研究成果をもとに新たな商品展開を実現することを目指しています。また、乳の価値の創造と植物性資源の活用を両立させた商品作りが重要視されています。

研究成果の詳細


本研究では、不飽和モノグリセリドを用いた2種類のW/O乳化物の香り成分を分析しました。SPME-GC/MS法を用いた分析から、ゼラチンを含む乳化物の香り成分の放出量が、ゼラチンを含まないものと比べて大幅に減少したことが確認されています。これは、香り成分の放出におけるメカニズムの理解を深め、商品開発への応用が期待されています。

このように、雪印メグミルクの研究は今後の食のあり方に影響を与えるかもしれません。人々の嗜好に応える製品を提供することは、企業の使命とも言えます。香りと味の新しい扉が開かれる中、私たちもその成果を楽しみに待ちたいものです。

会社情報

会社名
雪印メグミルク
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電話番号

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