エムポックス検査薬開発プロジェクトの幕開け
公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は、感染症であるエムポックス(旧称:サル痘)の診断薬開発に約7,000万円を投資することを発表しました。エムポックスは、主にコンゴ民主共和国やサブサハラアフリカで急速に感染が広がっているウイルス性感染症です。国際的な保健機関である世界保健機関(WHO)によると、2022年1月から2025年10月までの期間に世界141か国で17万人以上の感染者が記録されています。このような背景から、感染者の早期発見と適切な治療が急務となっています。
エムポックスの現状
エムポックスの感染者数のうち、特に5歳未満の児童が約60%を占め、致死率が7~9%と高いことが報告されています。このため、現地での診断体制が整っていない中、迅速で簡便なクレード識別が可能な検査技術が急がれています。
投資・助成で進めるプロジェクト
GHIT Fundの今回の投資は、ニプロ株式会社、株式会社TBA、国立健康危機管理研究機構(JIHS)、国際的な非営利団体PATH、そしてコンゴ民主共和国の国立生物医学研究所との共同プロジェクトによるもので、低コストで簡易的な遺伝子検査法であるIso-PAS法を用いることが予定されています。この新技術により、地方の医療施設でも使用可能な検査薬の開発が見込まれ、感染症拡大の防止に貢献することが期待されています。
将来に向けた取り組み
GHIT Fundはまた、GloPID-R(Global Research Collaboration for Infectious Disease Preparedness)という国際ネットワークに参加し、新興および再興感染症に対する研究への資金提供も拡大しています。これにより、今後の公衆衛生上の課題に迅速に対応すると同時に、革新的な診断技術の開発支援にも注力していく予定です。
まとめ
GHIT Fundは、エムポックスの診断技術を進化させることで、感染拡大の抑止に挑む姿勢を強化しています。これにより、今後世界中で感染症対策が一層進んでいくことが期待されます。
詳しい情報やプロジェクトの進行状況については、GHIT Fundのウェブサイトをご覧ください。