日中交流と漆芸
2025-03-07 11:12:22

日中交流が形にする震災復興の希望—輪島漆芸の未来を担うために

日中交流が形にする震災復興の希望



2023年3月3日、石川県立輪島漆芸技術研修所において、震災復興を促進する重要な贈呈式が行われました。この式典は、2022年に発生した能登半島地震の影響を受けた地域の伝統工芸の支援を目的としたものであり、東京都港区に本部を置く笹川平和財団が主催しました。このプロジェクトは、2019年から中国の上海を拠点に活動する上海世久非物質文化遺産保護基金会との協力の下、日中両国の伝統工芸文化の交流を深めることを狙いとしています。

この日、上海世久基金会の陳学栄理事長が自ら訪日し、今回の寄贈品を披露しました。寄贈されたのは高品質な漆であり、この素晴らしい素材は、震災の影響を受けた輪島の漆器製造者たちにとって貴重な支援となることは間違いありません。

日本国内の国産漆の生産量は非常に限られており、多くの漆器が外国から輸入された漆に依存しています。このため、今回の寄贈は、さらなる国内生産の支援とともに、輪島漆芸の特色を今後も守り続けられるための重要な一歩となるのです。

式典には、重要無形文化財保持者である漆芸家の室瀬和美氏や山岸一男氏も出席。小森邦博研修所所長は、温かい支援に対し感謝の意を表しながら、日中両国が手を携え、漆の文化を次世代へと引き継いでいくことの重要性を訴えました。

陳学栄理事長も「震災のニュースを聞き、大変心を痛めていた。ここに来ることができて、皆様に直接お見舞いの気持ちを伝えることができてうれしい」と述べ、両国間の伝統工芸の交流がさらに続くことを期待しています。

式典の終わりには、輪島研修所で学んだ範建軍氏と邱凡芝氏が、選定した生漆や刷毛の寄付品を披露。夫妻は「伝統工芸の発展と技術継承に少しでも貢献できれば」と話し、教わった技術を活かして地域に恩返しをしたいと強調しました。寄贈された漆の質や特徴についての説明に、多くの関係者が興味を持ち、活発な質疑応答が行われました。

この交流の背景には、日中双方が共に持つ伝統工芸に対する深い理解と愛情があります。日中伝統工芸文化関係者交流事業として、両国の工芸文化の担い手たちが相互に訪問し、理解を深めながら協力関係を築いていくことが求められています。この取り組みを通じて、文化交流や伝統工芸の発展に寄与することが期待されています。

笹川平和財団の役割



公益財団法人笹川平和財団は、1986年に設立以来、国際交流や国際協力を通じて、さまざまな分野で活動を展開しています。公式サイトでは、同財団が手掛けるさまざまな事業の情報が発信されており、今後もその活動を広めていくことが求められます。皆さんもぜひ、輪島漆芸の復興と日中交流の未来に注目です。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

会社情報

会社名
笹川平和財団
住所
電話番号

トピックス(地域情報)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。