豊国酒造とhaccobaが清酒とクラフトサケの新たな地平を切り開く
福島県にある豊国酒造合資会社と株式会社haccobaが、米の利用率に基づく共同醸造プロジェクトを発表しました。このプロジェクトは、清酒とクラフトサケの「境界」をテーマにしており、特に「たかが1%、されど1%」というコンセプトがその核心を成しています。
清酒とクラフトサケの境界とは?
実は、清酒とクラフトサケはその定義が微妙に異なります。その違いはたった1%の麹歩合によって決まります。豊国酒造では99%の麹歩合の清酒を、haccobaでは100%の麹歩合のクラフトサケを醸造し、この小さな違いが酒の世界に与える影響を探ります。日本酒は、長い歴史と文化を持っていますが、その酒質は制度に則って定義されているため、その範囲を意識することが重要です。
共同製麹のシンボル
このプロジェクトの中で特に象徴的なのが、両者による「共同製麹」です。2026年5月にhaccobaが豊国酒造を訪れ、蔵人たちとともに製麹を行います。この麹を使って豊国酒造は「99%麹酒」を仕込み、その後haccobaに豊国酒造のスタッフが訪れて、haccobaは「100%麹酒」を仕込みます。同じ製法で作りながらも、結果として異なる種類の酒が生まれることになります。この取り組みは、ただのコラボレーションではなく、その制度の内側と外側を行き来しながら、発酵というプロセス自体を語り直す試みです。
手を取り合った酒づくり
このプロジェクトの目的は、清酒とクラフトサケが対立するのではなく、互いにリスペクトしながら新たな発見をすることにあります。制度の内側には技術の継承があり、外側には未知の自由があります。この間を行き来することでのみ、見えない景色が開けてくるのです。福島の土地で酒を造る者同士だからこそ、この新しい対話の形を実現しようとしています。
オール福島での取り組み
この取り組みは、豊国酒造とhaccobaだけではなく、福島県内の酒販店や研究機関も参加しています。第一弾として、豊国酒造で醸造される「99%麹酒」は、郡山市の「泉屋」、伊達市の「根本安治酒店」が流通を担う予定です。また、福島県ハイテクプラザからも技術支援を受け、本プロジェクトは地域全体の協力によって進行しています。
未来の酒文化を目指して
福島の蔵で作られる酒は、ただ単に製造されるだけではなく、誰が支え、誰が届けるのかという文化を含んで初めて根づいていきます。今回、福島の蔵、研究機関、酒販店が手を携えることで、清酒とクラフトサケ間に新しい関係性を築いていきたいと考えています。
プロジェクトの予定
2026年5月には豊国酒造で共同製麹・仕込みを行い、「99%麹酒」を醸造します。その後、haccobaで同様のプロセスが続きます。このプロジェクトを通じて、私たちはたった1%の違いが持つ意味を世の中に問いかけ、境界の向こう側にある新たな風景を提示していく考えです。
メディア取材について
2026年5月の共同製麹・仕込み当日は、メディアの取材も受け入れる予定です。このプロジェクトの特性として、実際の現場で見られる熱気やコミュニケーションこそが、このプロジェクトの核心です。詳細は後日改めてお知らせします。
豊国酒造とhaccobaの背景
豊国酒造は1830年に創業以来、伝統と現代の融合を目指した酒づくりを行っています。また、haccobaは2021年に設立され、自由な酒づくりを推進する若い企業です。両者が手を組むことで、新たな可能性を追求する画期的なプロジェクトが生まれます。これらの企業は、地域文化の再生にも積極的に取り組んでおり、福島から新たな酒文化の未来が開かれる予感がします。