ハリマ化成の新たな挑戦
ハリマ化成グループ株式会社が新たに半導体モールド用離型フィルムを開発した。この素材は半導体製造の工程を更に効率化し、環境への影響を最小限に抑えることを目的としている。市販のサンプルワークを進めているこのフィルム製品は、特に厳しい半導体業界でのニーズに応えるべく、さまざまな特性を有している。
半導体製造の重要な役割
半導体の製造工程では、コンプレッションモールディング、つまり圧縮成形が欠かせない。この工程では、金型とモールド樹脂の間に離型フィルムを設置することで、金型の汚れを防ぐ役割を果たしている。ハリマ化成の新開発フィルムは、高いガスバリア性を誇り、成形時に発生する昇華物を効果的に遮断するため、金型の清掃頻度を軽減し、全体の工程効率性を向上させる効果が期待されている。
ユーザーの要求に応えるカスタマイズ性
独自の柔軟性を持った樹脂設計は、使う目的に応じてカスタマイズ可能であるため、様々な用途に適用できる。特に、シリコン・非シリコンいずれの用途にも対応できる点が、この製品の大きな魅力である。これにより、ユーザーのニーズに合わせた多様な使われ方が可能となる。
環境への配慮
さらに、この離型フィルムは有機フッ素化合物(PFAS)を含まないため、環境への負荷をできるだけ減らすことができる。近年、環境問題への意識が高まっている中で、これは非常に重要な要素となる。ハリマ化成は、サプライチェーン全体での環境配慮への強化を目指しており、このフィルムを通じて持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組んでいる。
今後の展望
ハリマ化成は2030年に向けて市場シェアの30%獲得を目指している。目標達成のためには、今回の開発製品を確実に市場へ浸透させていく必要がある。また、急成長中の生成AI分野において、電子端末に搭載される半導体に関連する機能性樹脂の開発にも力を入れている。その技術を活かし、さらなる製品ラインナップの拡充を図り、より多くの顧客のニーズに応える方向で進めていく。
展示会の参加も予定
また、2025年1月22日から24日まで東京ビッグサイトで開催されるアジア最大級のエレクトロニクス総合展「ネプコン ジャパン」にも出展予定である。この展示会では、開発した離型フィルムの特長や利点を広く紹介する計画である。ハリマ化成は今後もその技術力を活かし、多様なニーズに応える製品開発を続け、半導体市場での地位を更に強化していく方針だ。
この新しい技術が半導体製造の未来にどのように寄与していくのか、期待が高まる。ハリマ化成の挑戦に目を光らせたい。