2025年度ロジスティクス大賞受賞の背景
2025年度ロジスティクス大賞を受賞したのは、一般社団法人運輸デジタルビジネス協議会(TDBC)が推進する「traevo noWA」という共同輸送の仕組みです。近年、物流業界は輸送力の不足が顕著になり、積載効率を向上させることが急務とされています。そのため、業種を超えた共同輸送の実現が求められ、ここに期待が寄せられています。
新物流2法の施行
2025年4月1日より、「新物流2法」が施行され、荷主事業者が選択すべき手法として、配送の共同化や運送の帰路での貨物積載が規定されています。これに伴い、TDBCは共同輸送データベースを構築し、フィジカルインターネット推進のためのワーキンググループを設けました。このワーキンググループでは、中長期的な共同輸送の仲間を見つけるためのユニバーサルシステムを開発しています。
共同輸送サービス「traevo noWA」の誕生
特に本州での実証実験と、北海道経済産業局の協力によって、「traevo noWA」という共同輸送相手探索サービスが2025年8月に正式にサービスインします。このサービスは、トライアル期間中はTDBCの会員以外でも無料で利用可能であり、多くの物流企業や荷主にその利便性を知ってもらうことを目的としています。このサービスの登場により、従来の共同輸送相手を探す膨大な労力が軽減され、業種を超えた新しい協力の仕組みが生まれました。
ユーザーの声と具体的な効果
「traevo noWA」は、実際に運用しているユーザーたちによってそのメリットが実証されています。ユーザーからのフィードバックを受けて、プラットフォームの改善も行われており、荷主と物流企業の理解と参加を深めることが目的となっています。このような取り組みが進むことで、共同輸送の路線や参加企業が増え、業界全体の効率化が進むことでしょう。
開催されるセミナーの詳細
2025年10月10日金曜日に、オンラインで開催される予定のTDBCユーザーセミナーでは、「traevo noWA」の開発背景やその機能紹介、利用者によるトークセッションが行われます。特に、経済産業省北海道経済産業局の桧森美里氏が語る「課題先進地北海道における共同輸配送の必要性」は注目される内容です。参加は無料で事前登録制となっているため、興味のある方はぜひ参加を検討してみてください。
参加方法
詳細や申し込みは、TDBCの公式ウェブサイトで確認できます。先着順で定員に達し次第締め切りとなるため、早めの登録をお勧めします。
TDBCの理念と取り組み
TDBCは、運輸業界を安心・安全・環境に優しい社会基盤に変革することを目指しており、2016年の設立以来、200社以上の会員が協力しあいながら、業界の課題解決に向けて活動しています。デジタル技術を駆使し、運輸業界の未来を築くための新たな挑戦が続いています。