第68回新作博多織展の魅力
2023年4月11日から4月17日まで、東京都港区で開催される第68回新作博多織展。ここでは、九州・福岡の伝統工芸品として知られる博多織が中心となって様々な作品が展示されています。このイベントは、毎年春に開催されるもので、首都圏の人々に博多織の魅力を直接伝える貴重な機会です。
今年の展示会では、株式会社はかた匠工芸が福岡県知事賞と福岡市長賞を受賞しました。これは、博多織の製造元としての地位を確固たるものにし、伝統的な技術と現代の感性が融合した作品が評価された結果です。
受賞作品の詳細
福岡県知事賞:有来間道(うらいかんとう)
この作品は、博多織の原点とも言える間道柄を現代の技法で蘇らせています。白、紺藍、金茶、うす鼠色の経縞に浅葱色の緯縞を組み合わせた格子柄が特徴で、珍しい総浮(そううけ)の技法によって織られた究極の袋帯です。その美しさから、博多織の中でも圧倒的な存在感を放っています。
福岡市長賞:花の浮橋
次に、福岡市長賞を受賞した「花の浮橋」はエレガントなデザインが目を引きます。両面に銀光シルベット箔を用い、空間を感じさせる織技法により、立体感と軽やかさのある表現が可能になっています。また、この帯はリバーシブルデザインとしてシーズンやコーディネートに応じた多様性を持っているため、年中を通して楽しむことができるのが魅力です。
はかた匠工芸の背景
はかた匠工芸は、数々の歴史ある賞を受賞している博多織の織元として、その技術と伝統を守り続けています。現在、8名の伝統工芸士が在籍し、熟練した技術と独自の感性をもとに、フォーマルからカジュアルまで多様な作品を製作しています。
代表取締役社長の岡井弘志氏は、京都西陣の伝統を受け継ぎ、幼少期より日本の手仕事に触れてきたとのこと。その経験から、「日本の手仕事を応援したい」という強い信念を持ち続けています。はかた匠工芸は、唯一無二の手仕事として博多織を守り続けることで、日本のものづくり文化を後世に引き継ぐことを使命としています。
会社の概要
株式会社 はかた匠工芸 では woven fabrication的なプロセスを重視しており、和装文化に関する情報サービスも展開しています。また、
日本和装ホールディングス株式会社 は全国各地で無料の着付け教室を開催しており、着物を通じて日本の文化を広めています。
このように、博多織展は単なる展示会にとどまらず、日本の伝統工芸が目指すべき未来への道筋を示す重要なイベントであると言えるでしょう。受賞作品を体感することで、博多織の奥深い魅力を感じてみてはいかがでしょうか。
和と革新が融合した博多織の作品を直接見ることで、私たちの文化理解を深める機会となることでしょう。
ぜひ、足を運んでその美しさを体感してください。