2026年卒大学生アンケートから見る新たな価値観
株式会社マイナビが実施した「2026年卒大学生のライフスタイル調査」の結果が発表され、現代の大学生の意識に多くの変化が見られることが分かりました。共働き希望が過去最高を記録し、結婚や子育てに対する考え方にも変化が現れています。この調査からどのような新たな傾向が浮かび上がってきたのでしょうか。
共働き希望が最も増加
調査によれば、結婚後も共働きを希望する大学生の割合は72.1%に達し、8年連続で増加しています。この結果は、調査開始以来過去最高の数字となりました。特に男性は67.5%、女性は77.9%が共働きを希望しており、顕著に男女双方の支持が高まっています。
共働きを望む理由として、最も多かったのは「一方の収入だけでは生活できない」という現実的な理由です。この背景には、経済的な安定を重視する若者の姿勢があります。また、キャリアアップや出世を目指すための共働き志向も根強いことが示されています。
結婚観と未来像の多様性
調査結果において、結婚観にも新たな風潮が感じられます。66.7%が「愛する人と結婚したい」と答える一方で、13.3%は「結婚しない」、11.9%は「愛する人と婚姻関係にはこだわらない」と回答。このように、婚姻に対する意識も多様化しています。「ペットや友人と暮らす」といった新しいライフスタイルを考える学生も多く、結婚に対する考え方が柔軟に変化しています。
子育てに対する意識の変化
また、子育てに関する考え方も重要なポイントです。「子供は欲しくない」と考える学生が17.7%を占め、その理由は「育てる自信がない」(60.8%)や「経済的な不安」(54.5%)が多いことが分かります。特に「経済的な不安」を理由とする割合は前年比で増加しており、子育ての選択肢において経済的な要素が色濃く反映されています。
物価高の影響と生活への影響
調査では、物価高の影響についても言及されています。全体の85.7%が「物価上昇の影響を感じる」と回答し、特に「食費」や「家賃」の上昇が目立ちます。一人暮らしをしている学生においては、経済的な影響がより顕著で、「貯金を切り崩した」といった回答も増加しています。物価高が学生の生活に深刻な影響を及ぼしている現実が浮き彫りになりました。
性格診断と就職活動への活用
さらに、性格診断テストの結果を「自分の適職を考える参考」とする学生が14.4%に上ることも興味深い点です。自己分析や企業選びに活用する声が多くみられますが、一方で「興味のない職業しか出てこなかった」という否定的な意見もあり、性格診断への距離感が学生の間で見受けられます。
終わりに
この調査は、現代の学生が抱くキャリア観や生活への意識の変化を如実に表しています。また、経済的な不安が彼らの未来設計に影を落としていることも明らかになりました。今後の学生たちがどのようなキャリアを築いていくのか、その行く先が注目されます。このような意識の変化が、社会全体にどのような影響を与えるのかも重要なテーマとなってくるでしょう。