インフォメティスがNILMの国際標準規格を発行
インフォメティス株式会社は、東京都港区に本社を置くエネルギーインフォマティクス事業に特化した企業です。このたび、同社は世界初となる機器分離推定技術(NILM:Non-Intrusive Load Monitoring)に関する国際標準規格が発行されたと発表しました。この規格は、2025年6月25日に国際電気標準会議(IEC)で正式に承認されることが決まりました。
NILM技術とは?
NILMは、電力の主幹電流波形からAIを使用して電力の内部構成をリアルタイムで推定する最先端技術です。この革新的な技術は、これまで標準的な規格が存在せず、他の技術との比較が難しい状況でした。しかし、インフォメティスはこの技術の開発を進め、経済産業省の支援を受けて国際的な標準規格化を進めてきました。
国際標準化の活動とその成果
インフォメティスは、NILM技術に関する国際的な標準の確立に向けて活動を続けており、2021年にはIECの技術仕様書であるTechnical Specification(IEC TS 63297:2021)の発行に成功。この貢献が認められた結果、「IEC1906 Award」として表彰されました。現在、NILM-IS(国際標準規格)は、計測データのクラス分けを標準化することで、NILM技術の効能を適切に評価できる基盤を提供しています。
NILM-ISの意義と将来への影響
NILM-ISの発行により、消費電力計測データの取得方法やクラス分けが定義され、用途に応じた合理的な技術選定が可能になります。インフォメティスの技術は、世界中のスマートメーター紐付けにおいて高い実現性を持つよう、クラス分けされているため、普及に大きく寄与することが期待されます。
スマートメーターとの連携
インフォメティスは、過去にNEDOのプログラムに採択され、国内での第一世代スマートメーターのハードウェアに対して、ファームウェアのみの変更で高精細な電力データを取得できることを実証しました。これにより、既存インフラを使ったNILM分析サービスの提供が可能になり、大幅なコストを必要とせずにサービスを展開できます。
持続可能な社会を目指して
NILM技術の国際的な普及を通じて、インフォメティスはエネルギーマネジメントの分野で持続可能な社会づくりに貢献していく意向です。同社は、今後もスマートメーターを活用した高付加価値なNILM分析サービスを提供し、エネルギーの有効活用を推進していく予定です。
おわりに
NILM-ISの発行は、インフォメティスの創立以来の目標であった国際的なNILM分析サービスの展開に向けた大きな一歩です。今後の事業展開においても、グローバルな視点でエネルギー技術の進化に寄与していく所存です。