東南アジアオフショア開発
2013-08-06 10:18:17

東南アジアオフショア開発最前線:フィリピン・ベトナムIT産業の現状と将来展望

東南アジアオフショア開発最前線:フィリピン・ベトナムIT産業の現状と将来展望



グローバル化が加速する現代において、企業はシステム開発のスピード、品質、コストの最適化に常に頭を悩ませています。その解決策として注目を集めているのが、海外への開発委託、つまりオフショア開発です。中国やインドでのオフショア開発が成熟期を迎える中、新たな開発拠点として急成長を遂げているのが東南アジアです。

今回、IT協会が主催した東南アジアオフショア開発研究調査団は、フィリピンとベトナムを訪問し、現地IT産業の実情を詳細に調査しました。調査団は、それぞれの国のIT技術水準、オフショア開発のコストメリット、人材育成状況、開発現場の環境、ビジネスアライアンスにおける法的課題、そして技術目標の共有におけるブリッジSEの役割といった多角的な視点から調査を行いました。

フィリピン:マニラとセブ島のITハブ

まず、フィリピンでは首都マニラと、ITパークとして知られるセブ島を訪問。マニラでは、国内最大手のSI企業であるアドバンスド・ワールド・システムズ社や、日揮情報システムのフィリピン子会社であるJ-SYSフィリピン社を訪問し、日本企業との豊富な取引実績や、高い技術力について情報収集を行いました。

セブ島では、NEC系の現地法人であるNECテレコムソフトウェア社と、BPOを中心としたアウトソーシングサービスを提供するパシフィック・グローバル・アウトソース・ソリューションズ社を訪問。セブ島のITパークにおける大規模な開発拠点や、多様なサービス提供について調査しました。これらの企業は、高度な技術力とコストパフォーマンスの良さから、日本企業からの注目を集めています。

ベトナム:ハノイのIT人材育成と開発環境

次に、ベトナムではハノイを訪問。日本のSI企業であるヘッドウォータース社が設立した合弁企業であるライフタイム・テクノロジー社と、高度なIT技術者を育成するハノイ工科大学を訪問しました。ライフタイム・テクノロジー社は、日本の高い開発標準とベトナムの優秀な人材を融合させた開発体制を構築し、質の高いサービスを提供しています。また、ハノイ工科大学では、ITSS(ITスキル標準)をベースとした人材育成プログラムが注目を集めており、今後のベトナムIT産業の更なる発展に貢献すると期待されています。

調査結果と今後の展望

今回の調査で明らかになったのは、フィリピンとベトナムが、高度なIT人材とコストメリットを両立した魅力的なオフショア開発拠点であるということです。しかし、ビジネスアライアンスを成功させるためには、法的課題への対応や、日本企業との円滑なコミュニケーション、技術目標の共有といった課題にも取り組む必要があります。特に、ブリッジSEの役割は、文化や言語の壁を越えて、開発プロジェクトを円滑に進める上で非常に重要です。

今後、東南アジアにおけるオフショア開発はますます重要性を増していくと考えられます。日本企業は、今回の調査結果を参考に、最適なオフショア開発戦略を策定し、グローバル競争において優位性を築いていく必要があります。そのためには、現地企業との信頼関係構築や、適切なリスク管理、そして継続的な人材育成への投資が不可欠です。

本調査の詳細は、IT協会ホームページ(URL: http://www.jiit.or.jp/etc/detail/im/detail/research2763.html)を参照ください。

会社情報

会社名
公益社団法人企業情報化協会
住所
東京都港区芝公園3-1-22日本能率協会ビル
電話番号
03-3434-6677

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