アルゼンチンのパタゴニア地方チュブ州において、アルゼンチンアカエビ(Pleoticus muelleri)漁業が、10年以上にわたる改善の努力を経て、待望のMSC(Marine Stewardship Council)漁業認証を取得しました。これは、沿岸のエビ漁業としてアルゼンチン初であり、世界的に見てもアルゼンチンアカエビ漁業としては画期的な成果を示す出来事です。
この認証は、地元の小型および中型冷蔵漁船による持続可能な漁業の管理を評価するものです。MSCの基準は非常に厳格であり、漁業が自然環境に与える影響を最小限に抑え、資源の持続可能性を維持するための措置を講じていることが求められます。
今回のMSC漁業認証取得では、特に漁業管理の強化やモニタリング体制の改善が高く評価されました。これは、アルゼンチンアカエビの生態系を長期的に保護するために不可欠な取り組みであり、持続可能な漁業の実現につながります。漁業の年間漁獲量は約53,600トンで、最適な漁期に合わせた責任ある漁業が行われています。
このアカエビは、過去15年間で国際的な需要が急増しており、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの市場へも供給されています。地元の水産業は大手水産会社による加工によって大きな成長を遂げ、沿岸地域の経済や雇用を支える重要な要素となっています。今回のMSC認証取得は、ただ単に環境的な成功にとどまらず、経済的にも新たな活路を切り開くことが期待されています。
認証を受けた事業者によれば、「この認証を達成できたのは、地元のエビ漁業が持続可能であり続けるためのチーム全体の努力によるものです。高い環境基準を維持しつつ地域経済の発展にも貢献できることを誇りに思います」と語っています。このような取り組みが、新たな市場の開拓にも寄与することでしょう。
現在、アルゼンチンアカエビ漁業の約100%がMSCプログラムに参加しており、連邦水域内での沖合漁業も2025年までに認証取得を目指しています。持続可能な認証を受けた製品の需要は増加しており、世界がこの認証を求める流れがますます強まりつつあります。
MSC(海洋管理協議会)は、持続可能な漁業管理を促進するために設立された国際的な非営利団体であり、認証制度とエコラベルを通じて水産資源を次世代に残す活動を行っています。本部はロンドンにあり、世界中で広がる認証基準は、国連食糧農業機関(FAO)と国際社会環境認定表示連合(ISEAL)の基準を満たしています。
現在、日本国内でもイオングループやセブン&アイ、マクドナルドなどでMSC認証を受けた製品が取り扱われており、その流通は着実に進んでいます。認証を取得した水産製品は、消費者にとっても持続可能な選択肢として重要な位置を占めるようになっています。
具体的な情報や認証の詳細は、MSCの公式ウェブサイトで確認できます。持続可能な漁業を通じて世界の資源を守るために、MSC認証の理解と利用を深めていきたいものです。詳細は
こちら。