すい臓がんの認知と早期発見の重要性
最近、がんに関する意識調査が行われ、特に「すい臓がん」についての認知が取りざたされています。2024年6月、厚生労働省の「人口動態統計2023」において、年間のがん死亡者数が種類別に発表され、その結果「すい臓がん」が「胃がん」を抜き、ついに死亡者数第3位となったことが明らかになりました。これに対し、Craif株式会社が実施した調査から、消費者のがんに対する意識に驚くべき事実が浮かび上がりました。
調査概要と結果のハイライト
この調査は、全国の40〜74歳の男女1,000名を対象に実施されたものです。調査結果によると、最も怖いと思われているがんは「すい臓がん」(64.3%)であり、2位に「肺がん」(34.3%)、3位に「大腸がん」(33.1%)が続きました。特に「すい臓がん」が恐れられる理由としては、「早期発見が難しい」(51.3%)や「死亡率が高い」(38.9%)が挙げられました。
また、調査では約7割の人々が「すい臓がんの死亡者数が増加していること」や「がん種別の死亡者数で3位になったこと」を知らないと回答しました。これは、すい臓がんが恐れられているにもかかわらず、実際の知識が不足していることを示しています。
知識のギャップとリスクファクター
すい臓がんの理解を深める上で、リスクファクターの認識も重要です。調査によれば、約7割が主要なリスクファクター(肥満、喫煙、家族歴など)を1つ以上持ちながら、それについては6〜7割の人が知らないという結果が出ています。これは非常に驚くべきことです。
加えて、「すい臓がんは早期発見ができれば生存率が高い」という事実は約8割の人々が知らないという結果も確認されました。これは、早期発見の重要性が十分に浸透していないことを意味します。早期発見が難しい中で、自己管理や定期的な検診がいかに重要かがポイントとなります。
定期的な検査の重要性
さらに気になるのが、がん検診の受診状況です。約7割の人々が定期的にがん検診を受けていないと回答し、その理由は「面倒」、「経済的負担」、「時間がない」というものでした。これらの要因に対処することが、早期発見につながる可能性があります。例えば、「経済的に優しい」「手間がかからない」「高精度な検査」が求められており、その声に応える形での検査体制の整備が急務です。
まとめと今後の必要性
Craif株式会社のCEO、小野瀬隆一氏は、「私たち一人ひとりががんに対する意識を高め、早期発見に向けた努力をすることが大切です」と述べています。がんは早期に発見すれば予後が大幅に改善される可能性があります。そのため、すい臓がんの啓発活動やリスクファクターに関する教育が必要です。
すい臓がんという厄介ながんに立ち向かうためには、正しい知識を持ち、自己管理を怠らないことが大切です。今後、さらなる啓発活動や早期発見につながる取り組みが期待されます。