慶應義塾大学がウマに関する学際的な研究を推進
慶應義塾大学SFC研究所(神奈川県藤沢市、所長:飯盛義徳)は、ウマやその関係者、環境に関する学際的な研究と社会実装を目的とした「エクワインサイエンスコンソーシアム」を新たに設けました。このコンソーシアムでは、ウマの運動能力を中心にバイオメカニクスや生理学の研究など自然科学の枠にとどまらず、人とウマの共生やウェルビーイングに関わる人文社会学の視点も取り入れ、様々な研究を進めていきます。
コンソーシアム設立の背景
ウマは古代から人類と共生してきた重要な家畜であり、農耕や輸送、軍事など多方面で活用されてきました。特に競走馬や乗用馬としての役割は重要であり、最近の競技においては科学的トレーニングや運動解析技術の導入が急がれています。慶應義塾大学SFC研究所では、これまで競走馬のバイオメカニクスや騎乗者の動作解析に力を入れてきました。新しいコンソーシアムの設立は、こうした知見を産業や教育、地域振興へと応用し、ウマに関わる人々と共に次世代の価値を生み出すための一歩です。
エクワインサイエンスコンソーシアムの主な活動
このコンソーシアムの活動内容は多岐にわたり、以下のような研究が行われています。
1.
ウマの基礎研究:サラブレッドや馬場馬術、障害馬術などにおけるバイオメカニクスや生理学に関する観測技術の開発。
2.
健康管理:ウマの怪我や疾病、健康管理に関連する基礎研究。
3.
装具の研究:騎乗者やウマが使用する装具(例:蹄鉄、サドル)や安全具(例:ヘルメット)に関する研究。
4.
メンタルヘルス:ウマと人との関わりを通じたメンタルヘルスに関する研究。
5.
アニマルウェルフェア:引退したウマを有効活用する研究。
このように、エクワインサイエンスコンソーシアムはウマに関する多様な側面を網羅し、研究者や産業関係者、自治体、馬主、調教師、騎手など、多くの関係者との連携を強化しつつ、ウマの未来を切り開く取り組みを行っています。
コンソーシアムへの参加
ウマに興味がある方々が参加できるコミュニティも整備されており、今後の活動については公式ウェブサイト(https://equine-science.jp/)で情報発信が行われます。また、問い合わせに関しては、以下のメールアドレスへ連絡が可能です。
E-mail: equ_sci[at]sfc.keio.ac.jp
全ての人々がウマに対する理解を深め、新しい価値を創出するため、エクワインサイエンスコンソーシアムが果たす役割は今後ますます重要になるでしょう。