シングルマザーと障害者の働き方を考えるイベントレポート
2025年2月13日、大阪市のQUINTBRIDGEにて、一般社団法人グラミン日本と株式会社オリィ研究所の共催で『移動困難者のインパクト雇用の解決策を共に考えよう!』が開催されました。このイベントでは、シングルマザーや障害者など、通常の働き方が困難な方々が活躍できる新しいビジネスモデル「インパクト雇用」について議論がなされました。
イベントの背景
昨今、企業界においても多様性の尊重が重視されており、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)や人的資本経営が注目されています。しかしながら、シングルマザーや障害・難病の方々には、雇用機会が限られている現実があります。そこで、彼らの意欲を活かし、イノベーションや社会的な貢献ピースを実現する手段として「インパクト雇用」が提唱されたのです。
イベントの詳細
第1セッション:「インパクト雇用の概念と国際事例」
最初のセッションでは、グラミン日本の中川理恵氏が、インパクト雇用の概念と人的資本経営との関連性を解説しました。アメリカやヨーロッパの成功事例を紹介し、移動困難者の雇用がもたらす社会的意義について参加者と共有しました。これによって、参加者は具体的なイメージを持つことができたようです。
第2セッション:「グラミン日本の取り組み」
2セッション目では、グラミン日本から中川氏と上村あかね氏が、自団体の取り組みや過去のインパクト・ソーシング実績について紹介しました。彼らの発表によると、特定のスキルセットを持つ移動困難者が企業にどのような付加価値をもたらしたか、多くの成功事例が挙げられました。
第3セッション:「オリィ研究所の事例紹介」
続いて、オリィ研究所の加藤寛聡氏と小泉萌氏が、同社の提供するサービスやプロジェクトを発表しました。特に、分身ロボット「OriHime」を使用したテレワーク支援の取り組みや、移動困難者の行動範囲を広げる工夫に参加者たちの視線は釘付けになりました。
第4セッション:「グループディスカッション」
最後のセッションでは、参加者によるグループディスカッションが行われました。移動困難者の雇用促進に向けての課題や解決策を話し合う中で、「学校での先生役」や「保育園での子どもの相手」など、様々なアイデアが飛び出しました。また、移動困難者が分身ロボットを用いて遠隔から参加する姿も印象的でした。
参加者の反応
参加者からは「自分たちの無関心を変えなければならない」、「移動困難者の存在を社会全体で理解することが必要」といった声が上がりました。このイベントを通して、インパクト雇用の重要性とその具体的なビジョンを共に考える機会が提供されました。
グラミン日本とオリィ研究所のビジョン
一般社団法人グラミン日本は、マイクロファイナンスを通して生活困窮者に支援を行っており、「持続可能な社会」の実現を目指しています。一方、オリィ研究所は、移動が困難な人々に選択肢を広げるサービスを提供しています。両者の取り組みが、今後の社会にどのようなインパクトを与えるのか、今後の活躍に大いに期待したいところです。