ASTRO GATEと将来宇宙輸送システムの新たな連携
2025年10月30日、ASTRO GATE株式会社と将来宇宙輸送システム株式会社が宙輸送の未来を見据えた覚書(MoU)を締結しました。この協定は、ASTRO GATEが開発するスペースポートと、ISCが持つ再使用型ロケットシステム「ASCA(アスカ)」の打上げ及び着陸を対象にしています。この提携により、両社は宇宙輸送の合理化を目指し、新たな専門知識や技術を融合させることを目指しています。
ASTRO GATE株式会社は、東京都あきる野市に本社を置く、宇宙港(スペースポート)の開発を手掛けるスタートアップ企業です。同社は、国内外にて様々なスペースポートの整備を進めており、ロケット会社とのコラボレーションを通じて、宇宙輸送インフラの創出に尽力しています。今回のMoU締結について、代表取締役の大出大輔は「両社のロケットと射場の協調を加速し、宇宙輸送の合理化への期待を抱いている」と述べました。
一方、将来宇宙輸送システム株式会社は、東京都中央区に本社を構え、再使用型ロケット「ASCA」の研究・開発を行っています。ISCは、宇宙空間への人や貨物の輸送を目指し、クラウド上に集約したデータを利用する独自のプラットフォーム「P4SD」を開発しています。このプラットフォームは、宇宙空間を介して地球上の任意の場所へ1時間での輸送を実現することを目標としています。
両社間の協力には、次の項目が含まれています。まず、ロケットやスペースポートに関する最新技術情報の共有が行われます。次に、ISCが提供するP4SDの活用を考慮した、様々な解析ツールの開発に向けた検討を進めることが計画されています。特に、汎用的な飛行経路解析やミッション解析、そして安全解析における実用化が期待されています。
さらに、ISCのロケットを日本国内や他地域での離着陸を実現するための実験や、スペースポート設計、離着陸運用に関する支援活動も行われます。このような取り組みを通じて、両社の知見が融合し、新たな宇宙輸送システムの発展が期待されています。
ISCの畑田康二郎代表は、「スペースポートの整備が宇宙輸送の高頻度化に向けた大きな課題である」とし、ASTRO GATEとの連携がその課題解決に寄与すると強調しています。両社は、お互いのビジョンを理解し合う中で、宇宙輸送の効率化につながる成果を期待しています。
このように、ASTRO GATEとISCの提携は、未来の宇宙産業に大きな影響を与えることでしょう。両社の協力が、宇宙輸送の新たな時代を切り開く第一歩となることを期待しています。