NECが新たにAIを活用した政策立案エージェントを提供開始
NECソリューションイノベータは、自治体が抱える課題を解決するための新しいツール、「政策立案エージェント」を発表しました。このサービスは、すでに提供されている「NEC EBPM支援サービス」に追加され、データ分析を通じて、政策レポートを自動生成することを目的としています。
背景と目的
近年、自治体では専門的なデータ分析を活用した政策立案、いわゆるEBPM(Evidence-based Policy Making)が重要視されています。しかし、限られた人員の中で、まったく新しい政策を立案することは容易ではありません。それゆえ、データの収集・分析を効率化し、複雑な課題に対応できる仕組みが必要とされています。このニーズに応えるため、NECは「政策立案エージェント」を開発しました。
このエージェントは、誤った情報や主観的な結論を排除し、実証されたデータに基づいて政策案を提示することが可能です。自治体の職員はシステムに課題を入力することで、その情報を元に政策レポートを迅速に作成できます。これは、予算やリソースの制約を抱える小規模な自治体にとっても、大いに役立つと思われます。
政策立案エージェントの機能
1. 自由なデータ分析方法の選択
政策立案エージェントでは、政府統計データの利用を選ぶか、AIが自ら考えた政策案を提案するか、利用者が選べる形式となっています。例えば、ある問題に対する政府の統計データから、特に重要なKPIを5つ抽出し、それを基に政策案を出力します。この機能により、ユーザーは質の高いEBPMを実現するための具体的な指針を得られます。
2. ロジックモデルの自動表示
作成された政策レポートには、各政策案に基づいたロジックモデルが自動的に表示されます。これにより、政策の背景や目的、手法などを視覚的に把握しやすくなります。ロジックモデルは、パワーポイント形式でダウンロードも可能であり、プレゼンテーションや報告書にも簡単に利用できます。
サービスの価格と目標
この政策立案エージェントは、スタンダードプランが月額37,500円から提供されており、アドバンスドプランやその他オプションも用意されています。今後3年間で200団体への導入を目指し、2025年度中にはさらに多様なデータソースに接続可能になる予定です。
具体的な導入事例
すでに東京都中央区では、「NEC EBPM支援サービス」を導入し、政策レポートの作成を活用して職員の負担軽減に向けた取り組みを推進しています。これは、全国の自治体にとっての良いモデルケースとなるでしょう。
おわりに
NECソリューションイノベータは、本サービスを通じて自治体のEBPMへの取り組みを支援し、行政および住民サービスの向上に貢献することを目指しています。従来の政策立案方法に加え、新たなアプローチを提供することで、地方自治体の効率的な発展を促進することが期待されています。