企業IT動向調査2026速報に見る次期IT投資のトレンド
一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は、2025年度に向けた「企業IT動向調査2026」の速報値を発表しました。これは企業のIT戦略やIT投資の状況を調べたもので、業界全体の動向を把握するために重要なデータが集められています。
IT予算の増加傾向
調査によると、情報システムを利用する企業におけるIT予算は増加しています。2025年度のIT予算が前年度よりも「増加」と回答した企業は52.6%に達しており、DI値(前年同期比の増加指数)は43.3ポイントに。これは過去5年間で持続的に上昇している数値です。さらに、2026年度の予測でもDI値は39.9ポイントに達する見込みで、高い水準を維持し続けることが期待されています。
増加理由としてのAI関連投資
特に注目すべきは、IT予算が増加した理由の項目に「AI関連の投資・利用料増加」が加わったことです。26年度の予測では、43.7%がこの理由に該当し、これは25年度から7.4ポイントの増加となります。これにより、企業がAIに対して強い投資意欲を持っていることが明らかになりました。読者の皆さんも、AIへの投資が企業戦略の一部として重要視されていることを理解しておく必要があります。
業種別増加傾向
業種別の結果も興味深いです。「建築・土木」のDI値は56.2ポイントと、最も高い水準を維持しており、24年度に比べて増加が続いています。一方、注目すべきは「サービス」業種で、こちらは24年度計画から25年度計画にかけて14.6ポイントの大幅増加を達成しました。このように、業種によってIT投資の増加状況が異なる点が浮き彫りになっています。
DX推進状況によるDI値の変化
従来はデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めている企業や、大規模な企業の方がDI値が高い傾向にありました。しかし、最近ではその差が縮小してきています。これは、為替レートの変動やコスト圧力が企業全体に共通の課題となっているためだと考えられます。この変化は、企業が直面する課題へのアプローチや戦略を見直す良い機会でもあります。
IT投資の目的
IT投資によって解決したい経営課題のトップは「業務プロセスの効率化・スピードアップ」であり、34.6%の企業がこの点を挙げています。しかし、業種によっては異なるニーズが見られます。例えば、「建築・土木」業界では49.3%が効率化を重視する一方で、「金融・保険」業界では既存ビジネスの強化や新しいビジネスの創出が上位の課題となっています。このため、各業界がどのようにITを活用しているかを知ることは、将来の戦略を考える上で重要です。
調査の背景と今後の展開
「企業IT動向調査」は1994年度から行われており、情報産業における重要な情報源の一つです。調査期間は2025年9月6日から10月22日で、幅広い企業からのデータを集めています。正式な結果は2026年4月に発表される予定です。これにより、企業がどのようにIT戦略を構築していくかが可視化され、今後の動きにますます注目が集まります。
今後もJUASライブラリーや情報プラザを通じて、最新の調査結果や情報を入手できる機会が提供される予定です。詳細はJUASのWebサイトをご確認ください。
以上のように、企業のIT投資の動向は非常に重要なトピックです。AIなどの新技術への投資増加や、業種ごとの特異点に注目し、今後のビジネス戦略に役立てていきましょう。