日本マーケティング本 大賞2024の受賞作品が発表
2024年10月13日、東京で開催された「マーケティングカンファレンス2024」では、「日本マーケティング本 大賞2024」の受賞作品が発表されました。受賞したのは、吉田満梨・中村龍太著の『エフェクチュエーション:優れた起業家が実践する「5つの原則」』で、ダイヤモンド社から2023年8月に刊行されました。
日本マーケティング学会が主催するこの賞は、年間に出版されたマーケティング関連書籍から優れた作品を選定するためのもので、学会の会員から2800名以上が投票に参加しました。9作品がノミネートされ、厳正な審査の結果、魅力的な選抜がなされました。
大賞受賞の書籍について
受賞した『エフェクチュエーション』は、アメリカで発展した起業家マーケティングの最新理論「エフェクチュエーション」に基づいています。著者はこの理論を国内の起業家に広めるために、豊富な事例とともにその核心を明らかにしています。この本は、特にスタートアップを志す人々にとっては必読の書となっており、基礎から学ぶことができる工夫がなされています。
新しいビジネス環境において、成功の再現性が低いと言われる中、本書が示すエフェクチュエーションの原則は、多くの実務家や起業家の可能性を広げるものです。これを学ぶことで、読者は起業に対する理解を深め、自らの行動原理を見直すきっかけを持つことができるでしょう。
準大賞受賞の作品
また、準大賞には『マーケティングの力:最重要概念・理論枠組み集』が選ばれました。恩藏直人・坂下玄哲が編纂したこの書籍は、現代マーケティングの主要な概念を体系的に整理し、89の用語を網羅しています。各章には専門家が寄稿しており、理論が平易に理解できるよう配慮されています。
この一冊は、学部や大学院での学びを支えるだけでなく、忙しいビジネスマンにも取り入れやすい形でマーケティングの全貌を伝えています。その内容は、情報過多の時代においても、マーケティングの本質を再考するための貴重なリソースとなることでしょう。
日本マーケティング本 大賞の背景
日本マーケティング本 大賞は、2018年度から始まった取り組みで、マーケティング理論や実践の普及を目的に設立されました。受賞の選考では、学会員が実際に読んで推奨する書籍に対して投票を行い、厳正なプロセスを経て毎年の受賞作品が決定されます。2000名を超える学会の会員は、マーケティングに関する深い知識を有しており、それが作品選定に活かされています。
今年も多くの作品がノミネートされ、その中で多くのコメントや推薦理由が寄せられました。今回は、起業家に向けた内容からマーケティング理論の全てにわたる知識が得られる作品に至るまで、多彩な内容が取り上げられ、参加者にとって意義深いカンファレンスとなりました。
将来のマーケティングを見据えて
今後も「日本マーケティング本 大賞」は、マーケティングに関する知見の深化や実践の促進を目指し、より良い書籍を選出し続けていくことでしょう。新たな理論や実践の素材に触れたい方は、ぜひ受賞作品を手に取ってみてください。これらの書籍が、明日のマーケティングの指針となることを期待しています。