日仏友好の架け橋、40周年を迎えた名店の快挙
東京・紀尾井町、ホテルニューオータニ。そのメインロビー階に位置する名店「トゥールダルジャン東京」が、今年9月、開業40周年を迎えました。400年以上の歴史を誇るパリの老舗レストランの唯一の海外支店として、日本の食文化に大きな影響を与えてきた同店から、この度、喜びのニュースが届きました。
総支配人のクリスチャン・ボラー氏と、エグゼクティブシェフのルノー・オージエ氏の両氏が、フランス政府より国家勲章を受章したのです。ボラー氏はフランス国家功労勲章を、オージエ氏はフランス農事功労章をそれぞれ授与されました。
フランス国家功労勲章とフランス農事功労章
フランス国家功労勲章は、1963年に制定された、レジオンドヌール勲章に次ぐ由緒ある国家勲章。フランス大統領の決定により、フランスへの貢献が顕著な人物に授与されます。ボラー氏が長年かけて築き上げた日仏友好の架け橋としての功績が、この栄誉に繋がったと言えるでしょう。
一方、フランス農事功労章は、フランスの農業・食料主権大臣より授与される勲章。フランス農産物の輸出促進やフランス食文化の普及に貢献した人物に贈られます。オージエ氏の卓越した料理技術と、フランスの食文化を日本に伝える活動が評価された証と言えるでしょう。
40年の歴史を支えた、二人の軌跡
クリスチャン・ボラー氏は、医学を志していた過去を持ちながら、先代オーナーの誘いで来日。1984年の「トゥールダルジャン東京」開業以来、総支配人として日仏文化交流の最前線で活躍してきました。
ソムリエを7名も常駐させるなど、日本のワイン文化の普及にも貢献。全日本最優秀ソムリエコンクールで、トゥールダルジャン出身者が何度も優勝を果たすなど、その功績は計り知れません。さらに、在日フランス人コミュニティーのリーダーとしても活躍し、東日本大地震の被災地への支援活動にも尽力するなど、その活動は多岐に渡ります。
ルノー・オージエ氏は、16歳で料理の道へ。名店で経験を積み、2013年に「トゥールダルジャン東京」のエグゼクティブシェフに就任。2019年には、若くしてフランス国家最優秀職人章(M.O.F.)を受章するなど、フランス料理界のトップに君臨しています。後進の育成にも力を注ぎ、若手シェフの育成にも貢献しています。
「トゥールダルジャン」の伝統と未来
400年以上の歴史を持つ「トゥールダルジャン」。その伝統を受け継ぎ、独自の進化を遂げている「トゥールダルジャン東京」。今回の勲章受賞は、同店の歴史と、ボラー氏、オージエ氏の功績が改めて認められた証でしょう。これからも、日仏の食文化交流の中心として、その輝きを放ち続けることでしょう。