次世代型木造寄宿舎「NATURE NISEKO HIRAFU」供用開始
東急不動産株式会社とニセコ東急リゾート株式会社は、冬季ニセコの雇用問題を解決する新しい寄宿舎「NATURE NISEKO HIRAFU」の供用を2024年12月15日に開始することを発表しました。これは、ニセコエリアの観光業の長期的な発展を支える重要な取り組みです。
ニセコの魅力と課題
近年、ニセコは世界中からスキーやスノーボードを楽しむ人々が訪れる国際的なマウンテンリゾートとして知られています。「JAPOW」と称される素晴らしいパウダースノーに魅了された観光客が後を絶たない一方で、地域の課題も少なくありません。特に、急速な観光需要の拡大により、雇用者の住宅不足や交通渋滞といった深刻な問題が顕在化しています。
こうした状況に対し、東急不動産は国と連携し、地域社会と共に持続可能なリゾート開発を目指しています。特に2022年10月には、倶知安町との包括連携協定を締結し、地域課題の解決に向けた取り組みを強化しています。
NATURE NISEKO HIRAFUの設計と機能
「NATURE NISEKO HIRAFU」は、次世代型の木造ムービングハウス「スマートモデューロ」を採用されています。この建物は断熱性、気密性、遮音性、耐震性などの面で優れた性能を持ち、一棟一棟がアーキビジョン21の工場で組み立てられ、トレーラーで運搬されます。この方式によって工期やコストを大幅に削減しながら、環境への配慮も行われています。
住宅は110戸を有し、それぞれがベッド、トイレ、シャワー、冷蔵庫を完備。1室あたり最大2名まで入居可能で、バスタブや洗濯乾燥機を備えており、快適な居住空間を提供します。さらに共用エリアにはキッチン機能を持つリビングルームや洗濯乾燥室が設置され、中長期の滞在にも適したオプションが用意されています。
環境への配慮と地域貢献
「NATURE NISEKO HIRAFU」は、地域住民や観光事業者にとっても重要な存在になるでしょう。冬季だけでなく夏季の就業者にも利用可能で、地域の雇用を支え、交通渋滞の緩和にも寄与します。また、昨年から始まった「パークアンドバスライド」の実証実験では、施設内の一部駐車スペースがフリンジ駐車場として利用され、さらに地域内の移動をスムーズにします。
スマートストアの導入
入居者の利便性を向上させるため、無人決済システムを持つ「NATURE NISEKO HIRAFUスマートストア」も導入されています。これにより、24時間好きな時間に必要な物品を購入できるため、働く人々の生活を一層サポートします。
未来への展望
2030年の持続可能な発展を目指して、東急不動産は「Value up NISEKO 2030」というプロジェクトを推進中です。これは、地域の課題解決や観光価値の向上を図るもので、インフラやサービスの充実を目指しています。
今回の寄宿舎の開業は、その足がかりとして位置付けられています。「NATURE NISEKO HIRAFU」は、ただの住まいではなく、リゾート全体の価値を高め、地域に新しい活力を与えるプロジェクトの一環と言えるでしょう。これからのニセコの発展と地域の活性化に期待が寄せられています。