NTTドコモが挑むAIとvRANの融合:次世代ネットワークの実現へ
近年、AIを駆使したサービスが急速に普及しています。その中で、NTTドコモは仮想化基地局(vRAN)を活用し、新たにAIアプリケーションをネットワーク内部で運用する実証を行いました。この革新的な取り組みは、AIサービスの拡大に伴うトラフィック増大に対応し、効率的なネットワーク運用を実現するための重要な一歩です。
vRANとAIアプリの統合基盤
ドコモはこれまで、データ通信量の急増に対処するため、ネットワーク内部でAI処理を実行する「In-Network Computing」という新たなアプローチを進めてきました。この方法でネットワークは、AIによる常時分析を通して、効率的で持続可能な運用を目指しています。
具体的には、高い処理能力を持つGPUと、広範囲にわたる展開が可能な低消費電力のCPUを適切に配置し、両者の長所を生かした次世代ネットワークアーキテクチャを設計。ユーザー体感の向上とネットワークトラフィックの最適化を図る狙いがあります。
実証の成果と今後の展望
実証においては、汎用サーバのCPUリソースを利用し、vRANとAIサービスが同時に動作する基盤を構築しました。この取り組みは、従来の専用高性能アクセラレータに依存せずとも、ネットワーク機能とAI機能を組み合わせた運用の可能性を広げます。これにより、より効率的なネットワーク構築が実現できるのです。
さらに、今後は、実際の通信トラフィックの特性を考慮しながら、CPUやGPUといったコンピューティングリソースの最適配置に取り組む予定です。これにより、より多様なAIアプリケーションの要求に応じたネットワーク設計が進められます。
繋がる未来に向けて
今回の実証には、日本電気株式会社製の基地局ソフトウェアや、Amazon Web Services(AWS)の仮想化基盤が活用されており、特定の演算処理を高速化するためにQualcomm Technologiesのアクセラレータカードも搭載されています。また、これらを組み合わせたサーバーはHPE製。こうした技術の融合によって、ドコモはIn-Network Computingの実現に向けさらなる検証を進め、商用サービス化を検討しています。
そして、2026年にはバルセロナで開催されるMobile World Congress Barcelonaにおいて、これらの成果を発表する予定です。ドコモの先進的な取り組みは、6G時代のネットワークアーキテクチャに向けた重要な一歩となることでしょう。
結論
NTTドコモの取り組みは、AI技術の進化を支える新たな基盤を築くものであり、通信業界全体に影響を与える可能性を秘めています。新技術がもたらす未来のネットワークは、私たちの生活をさらに便利にし、次世代のサービスを支える重要な要素となるでしょう。この調査実証の成果と、今後の進展に目が離せません。