嘉悦大学の榎澤准教授が国際学術誌に画期的論文を発表
嘉悦大学経営経済学部の榎澤祐一准教授の研究が、国際学術誌『Voluntary Sector Review』に掲載されました。この学術誌はボランティア活動や非営利組織などの社会貢献に関する研究を扱った査読つきの専門誌であり、政策や実務に携わる多くの読者にとっても価値のある議論が展開されています。研究は、特に日本における「ふるさと納税」制度を題材にしており、寄付行動の形成に関する新たな視点を提供しています。
研究の背景と目的
従来、寄付行動は返礼品の提供などのインセンティブによって動機づけられると考えられてきました。しかし、榎澤准教授はこの「インセンティブモデル」だけでは説明できない新たな側面に焦点を当てました。彼の研究は、寄付行動がどのように形成されるか、その過程を深く探求しています。具体的には、寄付後の体験が寄付者と対象となる自治体や地域との間でどのように心理的な適合感を形成するのかを分析しました。これを「事後フィット認知(Post-hoc fit perception)」と名付けたこの考え方は、寄付が従来の合理的判断以上の意味を持つことを示唆しています。
事後フィット認知の重要性
寄付後に形成される心理的な適合感は、寄付自体の評価や満足度に強く影響しています。つまり、寄付者が受け取る体験やその後のコミュニケーションが、寄付が意味するところを再考させるのです。これにより、寄付は単なる金銭的な投資ではなく、個人と地域間の深い関係を育む行動であることが明らかになりました。この研究結果は、特に知名度が低い地方自治体やNPOにとって、寄付募集の手法を見直すヒントを与えるものとなります。
新たな視点を提供する研究
榎澤准教授の研究は、単にマーケティング分野に留まらず、公共と市民社会の交差点における新たな切り口を提示しています。寄付募集のプロセスで重要なのは、寄付前のインセンティブではなく、寄付後の体験設計であることが強調されています。今後もこのような研究が続けられ、地域社会や国際社会への貢献につながることが期待されます。
嘉悦大学の役割
嘉悦大学は、経営と公共的な視点を結びつけた学際的な研究を進めており、地域の発展に寄与することを目指しています。この度の論文掲載は、その一環として広く評価されることでしょう。榎澤教授は、マーケティングと公共政策を繋ぐ新たな研究の道を切り開いており、今後の学術界への影響も大いに期待されています。
まとめ
今回の研究は、寄付行動がインセンティブだけではなく、寄付後の実体験に大きく影響されることを示しました。これは、地方自治体や非営利団体が寄付者との関係をどう深めていくかの参考になるでしょう。嘉悦大学では今後もこのような重要な研究を続け、地域社会の発展に寄与することに尽力していきます。