Iktos社、日本子会社の設立
フランスに拠点を置くAI創薬スタートアップIktos SA(以下、「Iktos社」)が2024年2月14日、日本に新たに「イクトス株式会社」を設立したことを発表しました。これにより、Iktos社は日本市場への本格的な進出を果たし、さらなる成長を目指しています。
イクトス株式会社の代表取締役には藤秀義氏が就任し、ジャパン・ビジネスデベロップメント&オペレーションズのバイスプレジデントも兼任します。これからの医薬品研究におけるAI技術の導入を推進する重要な役割を担うことになります。
Iktos社の専門性と技術
Iktos社は2016年に設立され、化学研究、特に創薬化学への応用に特化したAIソリューションの開発を行ってきました。その主な製品であるAI創薬プラットフォーム「Makya™」と「Spaya™」は、欧州、米国、アジアなどで60以上の新薬設計プロジェクトを進める中で、多くの製薬企業やバイオテック企業に採用されています。これにより、Iktos社のグローバルな存在感は拡大しています。
Iktos社の技術は、AIを活用して医薬品として最適化された分子をバーチャルに設計することが可能であり、特に低分子創薬の分野でのアプローチが評価されています。近年では、独自のAI駆動型自動合成プラットフォームであるIktos Roboticsの開発を進めており、創薬プロセスを加速させることを目指しています。
日本市場への期待
日本はIktos社にとって極めて重要な市場であり、すでに帝人ファーマや小野薬品工業、キッセイ薬品工業などと戦略的提携を結んでいます。特にキッセイ薬品工業がIktos社のAI創薬プラットフォーム「Makya™」を採用したと発表したことは、両社の連携が創薬の効率を高めることを示唆しています。
藤秀義氏は、過去13年間にわたりアステラス製薬で計算化学とケモインフォマティクスの専門家としての経歴があり、その経験を活かして日本における新しい創薬プロセスの推進に寄与するでしょう。彼のリーダーシップのもと、イクトス株式会社は迎え入れた技術を最大限活用し、日本の製薬業界における競争力を強化していくと期待されています。
Iktos社の戦略
共同創設者でありCEOのYann Gaston-Mathé氏は、日本市場がIktos社にとって最優先事項の一つであり、この新会社を通じて日本の顧客やパートナーを支援するチームの構築が進められることを強調しています。彼は過去2年間の間に、日本の製薬企業との信頼関係を築いてきた成果を誇りに思い、これからの共同開発に期待を寄せています。
Iktos社のAI技術は、創薬プロセスを根本的に変革する可能性を秘めており、低分子創薬の加速を通じて日本の製薬産業の発展に寄与することを目指しています。今後の動向に注目です。
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